新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )について(14)
2020月05月27日 配信
1.世界の感染状況
*統計データは、WHO Situation Reportを使用。(グラフを作成)
*地域は、WHOの分類による。西太平洋地域には、日本、中国、韓国、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ラオス、カンボジアなど、南東アジア地域には、インド、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマーなど、東地中海地域には、中東、イラン、サウジアラビア、パキスタン、地中海沿岸のアフリカの国々などが含まれる。
▶アジアの国々:
▶現在、増加して(感染爆発)いる国々:
- ヨーロッパにおける流行はやや下火になりつつありあるが、世界の累積のCOVID-19陽性者数は、継続して増加している。米国の増加率は減少しているものの感染者数は増加傾向、ロシア、ブラジル、インドでの感染拡大が始まっている。パキスタン、バングラデシュを含む南アジア地域、南米での流行がはじまり、地中海沿岸、中東の国々(サウジアラビア、クウェートなど)でも増加している。中東地域の流行拡大は、外国人労働者として、劣悪な住居状況にいる人たちの間での流行である。
- ヨーロッパや米国におけるロックアウトの解除、夏のバカンスにむけての観光地も開かれることとなり、感染の再拡大の可能性もある。
- 東南アジア地域では減少状況が継続している。
2.日本、東京都国内感染状況
▶日本全体:
▶東京都:
(東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細より作成)
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5月25日、全国で緊急事態宣言解除。増加傾向の見られた北海道、愛媛などでは、医療施設でのクラスターが原因であり、両県とも減少の傾向となっている。5月25日現在では、すべての都道府県において、新規陽性患者数は一桁台となっている。
3.軽症者の社会復帰について
- 新型コロナに感染し、宿泊施設や自宅で療養した軽症者の職場復帰は、14日療養後に医療保健関係者の判断が必要となる。また、新型コロナに感染した方は、法律により一定期間の就業が制限されている。
- 発熱や風邪などの症状があったものの、新型コロナと診断されなかった方の職場復帰の目安は、症状が出てから8日後であること、かつ、薬なしで症状がなくなってから3日後である。(日本産業衛生学会)
- 職場復帰者を会社はあたたかく、迎える必要がある。
- 復帰者の休める体制作りをする必要がある。保育所や介護施設などでは、利用者の安心・安全のために、従業員に「陰性の証明を出してほしい!」と思うこともあるかもしれないが、「誰もが感染しているかも」「誰もが気づかないうちに感染させているかも」と考えることが大切である。体調不良の従業員は、働かせず、休ませることが必要であり、それが職場での感染拡大防止につながる。
- 「陰性の証明」の提出を従業員に求めない事が重要である。医療機関や保健所は、医師や保健師が必要と判断した患者さんの対応をする場所であり、従業員が「陰性の証明」のために相談・受診する場所ではない。
- 自宅で受けられる検査キットの精度は不十分であることを認識する必要がある。世界各国で、簡易的な検査キットが販売され、日本でも宣伝されているが、現時点では、病院で受けるPCR検査と同じくらいの精度での結果は得られず、かかりつけ医は検査キットの質には責任をもてないので、相談をしても十分に対応することは難しい。
※参照:https://note.stopcovid19.jp/n/n74204fb1d5f1
コロナ専門家有志の会 今、拡散してほしいこと8 #復帰に備えよう「軽症者が日常生活や職場に戻るとき」
4.外国人は特別定額給付金(給付金)をもらえるか
- 令和2年4月20日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定され、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うため、特別定額給付金事業が実施されることになった。
- この10万円給付金の給付対象者は、基準日において住民基本台帳に記録されている者であり、日本国籍を有しない外国人であっても、基準日に住民基本台帳に記録されていれば給付を受けることが可能である。
- 住民基本台帳とは、住民の氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるものである。外国人は、新たに日本に入国する際や、市区町村へ引っ越しをする際に、「在留カード」を持っているのであれば、住まいの市区町村に転入の届出を行う義務がある。
- 観光やビジネスのためのビザで日本に入国、滞在している短期滞在者、また、在留資格を持たずに日本に滞在している超過滞在者は、住民基本台帳に記録されていないため、給付金の対象とならない。
- 基準日である、4月27日に、住民基本台帳に記録されている外国人であれば、給付対象となる。
- 4月27日の基準日に住民基本台帳に登録されていない外国人のうち、帰国困難な状態に置かれている(元)技能実習生、(元)留学生、また、難民申請者の子どもについても、特別定額給付対象とするとの発表があった(5月19日)。技能実習生や留学生で「短期滞在」や「特定活動(3ヶ月)」の在留資格の人は、「特定活動(6ヶ月)」への在留資格変更許可申請を行い、住民基本台帳への登録が必要となる。
※参照:移住連
- 市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村に郵送するか、マイナンバーカード所持者がマイナポータルから振込先口座を入力した上で、振込先口座の確認書類をアップロードし、電子申請することにより、申請できる。
※参照:総務省
2020.05.27
文責:仲佐 保
NGOシェア共同代表・医師