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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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COVID-19(11)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )について(11)

1.世界の感染状況
*統計データは、WHO Situation Reportを使用。(グラフを作成)
*地域は、WHOの分類による。西太平洋地域には、日本、中国、韓国、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ラオス、カンボジアなど、東南アジア地域には、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマーなど、東地中海地域には、イラン、サウジアラビア、パキスタン、地中海沿岸のアフリカの国々などが含まれる。
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▶アジアの国々:
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  • 世界的な新規陽性者数は、全体的に減少傾向から、増加傾向となっている。この原因はロシアにおける増加が主要因である。
  • アジアの国々(西太平洋地域、東南アジア地域)の新規陽性者の増加率は減少している。インドでの継続した増加が目立つ。
  • ラオス、カンボジア、ベトナム、東ティモールでは新規陽性者は出ていない。タイ、マレーシアでも新規陽性者は少なくなっている。
  • インドネシアは、新規陽性者の増加率は同程度である。


2.日本、東京都国内感染状況
▶日本全体:
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▶東京都:
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(東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細より作成)

  • 全国規模では、毎日の新規陽性者数は減少しつつある。
  • 東京都も新規陽性者数は、減少している。
  • 緊急事態宣言による外出自粛の成果は出ている。


3.新型コロナウイルス ワクチンと治療薬
  • 新型コロナウイルス感染症対策には、予防と治療がある。予防に一番効果があり重要なのがワクチンであり、これを接種・投与することにより、発症を防ぐことができる。治療薬は、症状が出た後に投与することにより、症状の軽減や、重症化を防ぐことができ、感染症による死亡を減少させることができる。

  • ワクチンや治療薬を認可するための治験には、臨床治験第1相(フェーズ1)から第3相(フェーズ3)までのステップが必要である。フェーズ1は少人数の健康成人への投与による安全性の確認、フェーズ2は少人数の患者さんへの投与による有効性と副作用の確認、フェーズ3は多数の患者による有効性と副作用の確認である。これを倫理的に正しく実施されなければならない。


  • (ワクチン)
  • 4月13日現在、世界保健機関(WHO)によると、世界で開発中の新型コロナウイルスワクチンは70種類に上り、うち3つは既に臨床試験が行われており、有望とされている。
  • 第1番目が中国の康希諾生物と中国人民解放軍の軍事科学院軍事医学研究院生物工程研究所が共同開発したワクチンで、フェーズ2が実施されている(4/15)。
  • 第2番目が米国立衛生研究所(NIH)がNIHの一部門である国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と米バイオベンチャーのモデルナが協力して開発したmRNAワクチン「mRNA-1273」であり、フェーズ1が実施されている。(3/16)。ClinicalTrials.govに登録されている情報によると、mRNA-1237のフェーズ1試験は18~55歳の健康な男女45人が対象である。
  • 第3番目が米イノビオ・ファーマシューティカルズが開発したDNAワクチン「INO-4800」で、フェーズ1が実施されている(4/6)。健康成人40人に4週間隔で2回ワクチンを投与するもので、今夏の終わりまでにデータが出る見込みである。
  • 日本企業では、アンジェスと大阪大学がDNAワクチンを共同で開発中。タカラバイオが製造面で協力し、化学大手のダイセルが有効性を高めるための新規投与デバイス技術を提供。現在は非臨床試験を実施中である。

  • (治療薬)
  • 新型コロナウイルスの治療薬としては、現時点では効果が科学的に確認されたものはない。しかし、他の病気の薬や、開発中の薬について、世界中で少なくとも109件の臨床試験が進行している。その中で有望なのが、レムデシビルとファビラビル(アビガン)と言われている。
  • レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが明らかになっており、COVID-19の治療薬として最も有望視されている薬剤の1つだった。中国においての臨床治験が実施されており、4月29日のオンラインのランセットに第1報が報告された。
  • 結果としては以下のようであった。中国、湖北省からの報告。酸素吸入が必要な中等症の患者が対象。158人にレムデシビルを、79人に偽薬を投与。臨床症状を6段階(1は退院、6は死亡)で評価し、2段階以上の改善、もしくは退院までの期間を評価した。その結果、レムデシビルによっても、回復が早くなるという結果は得られなかった。ただ、発症して10日までにレムデシビルを投与した患者では、統計的に有意ではないが、50%程度、回復が早まる傾向はみられたので、より大規模な臨床試験が必要である。
  • 同じ、4月29日より、米国立衛生研究所(NIH)は、抗ウイルス薬・レムデシビルの投与により、新型コロナウイルスによる肺炎で入院した患者の回復までの期間がプラセボに比べ31%有意に速かったとの予備的解析の結果を発表した。1063例の患者を登録して実施された「ACTT」試験の予備的データ解析によるもの。このほか、レムデシビルの投与により、死亡率が低下する傾向も示されたとしている。
  • ファビピラビル(アビガン)は2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬で、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤である。エボラ出血熱にも効果があると言われている。しかしながらレムデシビルより高濃度が必要で、催奇形性があるため妊婦には使えない。現在、日本において治験が実施されている。現在では、新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していないが、新型インフルエンザに備えて国が200万人分を備蓄しているとともに、富山化学での増産が開始されている。 今回の新型コロナウイルス感染者に対する臨床研究においては、240名の中等症患者を無作為に120名ずつの2群に分け、1群にはアビガンを、他の1群にはアルビドールを投与した。7日目の回復率を、解熱、呼吸の正常化、血中酸素濃度の正常化、咳の消失から判定した。その結果、アビガン投与群では71.43%が、アルビドール投与群では55.86%が回復し、アビガンの方が統計的に見て有意に高い治療効果を示した。一方、アビガン投与群では、肝機能検査異常、尿酸値上昇、消化管症状、精神症状の発生率が、アルビドール投与群より高かった。
  • 他にも多くの薬剤が研究開発されているが、まだ、決定的なものは出ていない状態である。

  • 参照:感染症研究所
      ・新型コロナワクチン、3種が臨床試験段階-世界で70種開発中(WHO)
    https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-13/Q8PR5QT1UM1401
    ・新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(4月24日UPDATE)AnswersNews - 製薬業界で話題のニュースがよくわかる
    https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17853/

    ・A randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial.
    https://marlin-prod.literatumonline.com/pb-assets/Lancet/pdfs/S0140673620310229.pdf
    Wang et al., Remdesivir in adults with severe COVID-19: Lancet 4月29日オンライン公開

    ・山中伸弥による新型コロナ情報発信
    https://www.covid19-yamanaka.com/cont4/23.html

    ・Favipiravir versus Arbidol for COVID-19: A Randomized Clinical

    Trialhttps://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.17.20037432v2


2020.05.01
文責:仲佐 保
NGOシェア共同代表・医師


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