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COVID-19(20)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )について (20)

2020月12月20日 配信
1.世界と日本のCOVID-19感染状況(Global and Japanese Situation of COVID-19)
■世界のCOVID-19新規陽性者(WHO 2020年12月13日)
規陽性者数、新規死亡者数、陽性者致死率2.3%
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世界の毎週の新規陽性者数は約430万人、新規死亡者数7.5万人を超えており、流行は拡大傾向である。致死率は2.3%である。累計の陽性者数は7千万人を超え、死亡者も160万人に達する(2020年12月13日、WHO)

  • この1週間で世界で最も多くの症例を報告した5か国は、アメリカ、ブラジル、トルコ、インド、ロシアであり、特にアメリカの増加率は高く、毎日20万人以上の新規陽性者が確認されている(12月13日現在)。(WHO Weekly epidemiological update - 15 December 2020
  • アフリカ地域では、再流行が来つつあり、マリ、ナンビア、ナイジェリア、セネガル、南アフリカの増加が目立っている。
  • 東地中海地域、ヨーロッパ地域では、減少傾向となっている。
  • 南西アジア地域は、最大の流行国のインドの増加率が減少したことに伴い、減少傾向となっている。
  • 西太平洋地域では、世界の中での占める割合は少ないものの、日本を中心として増加傾向である。

■日本の週毎のCOVID-19新規陽性者数と死亡者数 陽性者致死率1.5%(12月8日)
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■ 東京都の週毎のCOVID-19新規陽性者数 陽性者致死率1.2%(12月15日)
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  • 東京での新規陽性者数は、毎日300-500名に達しており、流行は継続していると考えられ、また、首都圏、愛知県、大阪、京都、兵庫、福岡などの地方の大都市での増加傾向があり、全国的には流行が継続していると考えられる。


2.予防接種 免疫
  • 新型コロナウイルスに感染し症状を持った患者は、その後、少なくとも6か月は、新型コロナの免疫が続く可能性があることが報告された。このことは、ワクチン接種による効果が自然免疫と同様に続くことを示唆している。
  • 一方、イギリスの大学インペリアル・カレッジ・ロンドンは、新型コロナウイルスに感染後に回復しても、抗体が3カ月で急減するとの研究結果を発表した。国民の多くが回復して免疫を持つことで感染を収束させる「集団免疫」が、新型コロナでは獲得できない可能性がある。
  • ワクチン接種による新型コロナ対策が期待されているが、接種の安全性を確保する必要がある。副作用の率が高かったり、死亡例があった場合には、ワクチンとしては適さない。
  • 2020年12月に入り、複数のワクチン開発(12月15日現在、アメリカ、イギリス、中国、ロシアなど6種類)が同時進行しており、自分に合ったワクチンが見つかる可能性は十分にある。
  • 英国医薬品庁(MHRA)は、ファイザー製ワクチンについて、過去に医薬品や食品でアナフィラキシー(急性アレルギー反応)を起こしたことのある人は接種するべきではないと発表した。
  • 12月13日、ペルーで中国の製薬大手「中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)」が開発した新型コロナウイルスワクチンの被験者1人に神経症状がみられたとして、臨床試験(治験)を一時中断した。

"Immunity to COVID-19 may persist six months or more Evidence is emerging that the coronavirus sparks potentially lasting protection in some people"
「An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 -- Preliminary Report」
「新型コロナのワクチンは超スピード開発でウイルスよりむしろ危険?」
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19723/
「コロナワクチン副作用、国ごとに審査を アレルギー反応でWHO ペルー、中国製ワクチンの治験中止 被験者に神経症状」


3.新型コロナ感染者の特徴
2020年、世界中で猛威をふるっている新型コロナ感染症、その症状、経過、重症化などについてのまとめである。また、初期にはわかっていなかった後遺症に関してもわかってきた。
  • 潜伏期は、1~14日と幅があり、多くの人がおよそ4~5日で発症する。症状としては、風邪やインフルエンザと似ており、咳・息切れ・呼吸苦、熱・寒気、筋肉痛・関節痛、嘔吐・下痢、嗅覚異常・味覚異常などであり、特に「息切れ」「嗅覚障害・味覚障害」は、風邪やインフルエンザでは稀(まれ)な症状なので、新型コロナの可能性を疑うきっかけになる。
  • 「嗅覚障害」「味覚障害」は、風邪や副鼻腔炎、花粉症でも生じるが、それに加え、発熱、咳などの症状がある場合には新型コロナの可能性は高くなる。
  • 流行早期の中国での4万人の感染者のデータによると、発症してから1週間程度は風邪のような軽微な症状が続き、約8割の方はそのまま治癒するが、約2割弱が重症化する。
  • 日本の6月からのデータによると新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは高齢者と持病のある患者である。重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっている。女性より男性が重症化する率が高いといわれている。
  • 新型コロナには一定の割合で感染しても無症状の人がいる。これまでの報告からはおよそ3~4割の人が感染しても無症状であったと報告されている。特に若い人では感染しても無症状のことが多いのではないかと考えられている。例えばアメリカの原子力空母セオドア・ルーズベルトで起こったクラスターでは、乗組員4,779人のうち、1,271人が新型コロナに感染し、この1,271人のPCR検査陽性者のうち、45%は無症状、32%が検査時には無症状でのちに症状を発症、そして23%が検査時に症状があった。
  • 他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされており、特に、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられている。
  • 持病の有る無しによっても重症度が変わってくることも分かってきている。アメリカでの入院リスクは、喘息1.5倍、高血圧3倍、肥満(BMI3以上)3倍、糖尿病3倍、慢性腎臓病4倍、重度肥満(BMI4以上)、2つの基礎疾患4.5以上、3つ以上の基礎疾患5倍である。
  • 日本では、咳、痰、だるさ、呼吸苦、嗅覚障害、味覚障害などの症状が、60日後も10-20%、120日後でも2-11%が継続していると報告されている。
  • 後遺症として、フランスでは、脱毛、記憶障害、睡眠障害、集中力低下といった急性期にはみられなかった症状も後遺症として報告されている。

「新型コロナの症状、経過、重症化のリスクと受診の目安」
厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症の"いま"についての10の知識」


文責:仲佐 保
NGOシェア共同代表理事・医師


■COVID-19情報全文:日本語

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