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COVID-19(21)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )について (21)

2021月2月1日 配信
1.世界と日本のCOVID-19感染状況(Global and Japanese Situation of COVID-19)
■世界のCOVID-19新規陽性者(WHO 2021年1月24日)
週別 新規陽性者数 陽性者致死率2.2%
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【注】こちらのデータは、WHO(World Health Orgbanization)のWeekly epidemiological update - 27 January 2021の資料から引用

世界の毎週の新規陽性者数は約400-500万人、新規死亡者数8.5万人を超えていたが、増加率が上限に達している傾向である。致死率は2.2%である。累計の陽性者数はほぼ1億人に達し、死亡者も210万人を超えている。(2021年1月24日、WHO)

1月第3週の増加率の状況は下記のとおりである。
  • ・世界で最も多くの症例を報告した5か国は、アメリカ、ブラジル、英国、ロシア、フランスであり、特にアメリカの増加率は相変わらず高く、毎日20万人以上の新規陽性者が確認されている。
  • アメリカ地域における新規陽性者数が多く、米国、ブラジル、コロンビアが目立つ。
  • アフリカ地域でも増加しており、1月第3週では、南アフリカ、ナイジェリア、ザンビアの増加が目立っている。
  • アジア地域では、日本、マレーシア、フィリピン、インドネシアにおける増加がみられている。インドでは、絶対数は多いものの、減少傾向である。

■日本の週毎のCOVID-19新規陽性者数 陽性者致死率1.4%(2021年1月26日)
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■ 東京都の週毎のCOVID-19新規陽性者数 陽性者致死率0.9%(2021年1月26日)
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  • ・全国及び東京での新規陽性者数は、クリスマスから年末年始の人々の移動や繁華街への外出の増加により、1月の1,2週の急激な陽性者数の増加をきたしたと考えられ、2021年1月8日より、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、1月14日より、栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の11都府県で緊急事態宣言が発せられた。1月3週からは、東京、全国とも新規陽性者数の減少傾向を見せている。


2.新型コロナウイルス変異株

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【注】こちらのデータは、WHO(World Health Orgbanization)のWeekly epidemiological update - 19 January 2021の資料から引用
  • 現在、複数のCOVID-19変異株が世界中で流行している。
  • 英国(UK)において出現したB.1.1.7(VOC 202012/01)と呼ばれる新しい亜種は、2021年1月19日現在、世界の60か国で報告されており、他の変異株よりも簡単かつ迅速に拡散しやすいといわれているが、それがより重篤な病気や死亡リスクの増加を引き起こすという証拠はない。
  • 南アフリカでは、1.351(501Y.V2)と呼ばれる変異株が出現した。この亜種は、もともと10月初旬に検出されたもので、1月19日現在、23か国で報告されている。
  • ブラジルでは、P.1と呼ばれる亜種が出現し、ブラジルから日本への4人の旅行者で特定された。

https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update---19-january-2021
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/transmission/variant.html


3.家庭内の感染
2020年、世界中で猛威をふるっている新型コロナ感染症、その症状、経過、重症化などについてのまとめである。また、初期にはわかっていなかった後遺症に関してもわかってきた。
  • 54の関連した研究の結果、77,758人のCOVID-19 の家庭内感染率は16.6%、これはSARS(7.5%)及びMERS(4.7%)の感染率より高かった。有症状の感染率は18.8%であり、無症状者の0.7 %に比べ、高かった。大人との接触によるものが28.3%であり、子どもとの接触(16.8%)よりも高かった。配偶者からの感染率(37.8%)はその他の家族からの感染率(17.8%)より高かった。同居人数が1人(41.5%)、同居人図んが3人以上(22.8%)と、同居人数が少ない方が、家庭内感染率が高い傾向を示した。
  • Household Transmission of SARS-CoV-2 A Systematic Review and Meta-analysis
    https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2774102


4.新型コロナウイルス感染症の"いま"についての10の知識(2021年1月 厚生労働省)
  1. 日本では、これまでに379,516人が新型コロナウイルス感染症と診断されており、これは全人口の約0.3 %に相当する。(2021年1月29日)

  2. 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にある。
    ・重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)
    ・死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)である。

  3. 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、高齢者と基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満)があるひとは、重症化しやすい。また、妊婦や喫煙歴などが重症化しやすいかは明らかでないものの、注意が必要とされている。

  4. 日本の人口当たりの感染者数、死者数は、全世界の平均や主要国と比べて低い水準で推移している。
  5. 新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされている。また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられている。

  6. 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられている。このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が 何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができると考えられる。

  7. 新型コロナウイルス感染症は、主に飛沫感染や接触感染によって感染するため、3密(密閉・密集・密接)の環境で感染リスクが高まる。このほか、飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすく、注意が必要である。

  8. 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査である。新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっている。なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできない。

  9. 軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行う。呼吸不全を伴う場合には、酸素投与やステロイド薬(炎症を抑える薬)・抗ウイルス薬の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行うことがある。ただ、高齢者や基礎疾患がある方は、突然、悪化することもあるので注意が必要である。

  10. 新型コロナウイルス感染症に対するワクチンは、国内・海外で多数の研究開発が精力的に行われており、一部の国においては、緊急的な使用等が認められ、接種が開始されている。日本国内でも承認申請が行われたワクチンがあり、国内外の臨床試験結果等を踏まえ、承認審査が行われ、審査が終了し承認された場合に、ワクチン接種を希望される方々が速やかに受けて頂けるように、準備に取り組んでいる。一般的に、ワクチンには感染症の発症や重症化を予防する効果があり、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社は、第3相試験で、開発中のワクチンを投与した人の方が、投与していない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少なかったとの中間結果が得られたと発表している。一般的にワクチン接種には、副反応による健康被害が極めて稀ではあるものの、不可避的に発生する。新型コロナウイルス感染症のワクチンの副反応については、臨床試験等で確認されているところである。

  11. ▶厚生労働省移動



文責:仲佐 保
NGOシェア共同代表理事・医師


■COVID-19情報全文:日本語

■Information of COVID-19:English

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