HOME > ライブラリー > 旅する世界の保健室 > vol.17ガーナ
私が子供の頃にテレビでアフリカの子供が地面に無気力な表情で座っている姿を見て何か出来ないかと思ったのがきっかけです。小学校の担任の先生が協力隊の新聞広告の切り取りをくれてその時に知りました。人と健康に関わる国際協力に携わりたいと思い看護師を選び、病院で数年勤務し青年海外協力隊に参加しました。
①HIV検査の補助
VCTですが自主的に来る人は殆どいません。スタッフが村やイベント等に多く人が集まる機会に合わせて検査するアウトリーチに同行し記録、プラバシーが守られるように検査場所の設営の助言などしていきました。カウンセラーに記録物の整頓や集計ミスを防ぐ方法を提案しましたが必要がないと承諾が得られないこともありました。病院には週一回HIV治療外来があり診療の補助から、検査に来た人の治療状況も知ることが出来ました。
②JICAプロジェクトのフォローアップ
私が赴任前にJICA協力の「マスメディアを通じたエイズ教育プロジェクト」が終了していました。そのプロジェクトの一つにピアエデュケーター育成があり、その状況確認のため現地NPOスタッフとピアエデュケーターがいる学校を訪問しました。現地NGOスタッフから誘われたので驚きと嬉しくも感じました。継続している学校は少なく、出来ない理由はスナックを買うお金がないからでした。人が集まって何かする時は必ずドリンクかスナックを用意する習慣があるからです。スナックは無くてもいいのではと尋ねると、ないことは考えらないと、言われこの問題は解決できませんでした。
③住民へのインタビュー調査
VCTセンターを利用しない理由を知るためセンター近辺の村の住民にインタビューを行いました。現地語で行うため現地NGOに関わる高校教師と実施しました。結果はセンターの場所を知らない、神を信じているから感染しないが多数でした。この結果をもとにカウンセラーと活動計画を立てましたが私の任期終了で一緒に行ったのは1度であとはカウンセラーに任せて帰国しました。
センターに医師の紹介で青年が来ました。HIV陽性で治療開始の状態でしたが外来で会う事はありませんでした。インタビュー調査で病院から遠い村を訪ねた時あの青年がいました。畑仕事ができなく食事と病院に行くためのお金がない状況でした。同行していた高校教師がお金の援助を提案しましたが私は賛成しませんでした。現地NPOスタッフに青年の援助を依頼しましたが、私がお金の援助すべきだったのかと暫く考えました。
住民が必要な治療を受けられない実状を知る事で国際保健協力の活動の問題を具体的に考えることが出来ました。そして私たちが改善の必要と判断しても現地住民が必要としないなら実施できない、でもそれでいいのかとどこで折り合いをつけるのか私にとって課題でもあり学びでもあります。ガーナ人に戸惑い、驚き、怒り、笑い、私の喜怒哀楽を引き出してくれた人々でした。ガーナでの経験に感謝しています。COPYRIGHT © SHARE ALL RIGHTS RESERVED.