世界基金への完全な資金拠出を求める緊急国際アピール
援助国はエイズ・結核・マラリアへの闘いの拡大に向けた誓約を遵守せよ
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(以下、世界基金)は、世界の感染症と貧困問題を克服するための国際的な努力に不可欠のメカニズムです。世界基金は、3つの致死的な感染症(訳注:エイズ・結核・マラリア)との闘いを有効に進めることに貢献しつづけるために、国際社会の継続した財政的支援を求めています。援助国の政府は、本年9月5日?6日にロンドンで、世界基金の確認された資金需要を満たすことを目的に、「資金補充会議」を開催します。世界基金の資金需要は、2006年で29億ドル、これに加えて2005年の資金ギャップ推定7億ドル、さらに2007年は42億ドルと、合計78億ドルに達します。これらの資金は、すでに各国で開始され、開始2年間で成功裡に進められている各プロジェクトの3年目以降の資金拠出と、2006年に1回、2007年に2回の新規案件募集の実施、および2005年9月に理事会で承認される第5回案件募集のための資金に使われます。
現状の資金拠出・誓約状況を見るに、このままでは、世界基金が2006年もしくは2007年に、新たな案件募集を開始するために必要な資金を集められない現実的な可能性があります。ミレニアム開発目標は、HIVやその他の感染症の拡大を2015年までに止め、その後反転させるという目標を立てていますが、世界基金に十分な資金が提供されないと、この目標に向けた努力が無になる可能性があります。また、G8諸国は先日のサミットで2010年までのHIV治療への包括的アクセスの達成を誓約しましたが、世界基金が十分な資金を集められないと、この誓約も不可能になってしまいます。
私たちは、援助国各国の政府が指導力を発揮し、各国の公平な分担によって世界基金の資金需要を満たすこと、また、他の国々に対して世界基金への貢献を増額するよう促すことによって、エイズ・結核・マラリアへの闘いに十分な資金が拠出されることに責任を持つことを求めるものです。