menu

キーワードで探す

カテゴリで探す

【東ティモール事業ブログ】「声をかけるのが怖かった」新人助産師が一歩踏み出すまで

  • 東ティモール事業
  • 母子保健サービス活性化プロジェクト
  • 東ティモール事務所 ヘルスオフィサー  フレリア・ファティマ・ピント
【東ティモール事業ブログ】「声をかけるのが怖かった」新人助産師が一歩踏み出すまで

日本の皆さん、ハロー!看護師のフレリアです。アネネと呼んでくださいね🌸
日本ではいよいよNintendo Switch2が発売開始されるそうですね!
東ティモールではまだNintendo Switch自体も入ってきていませんが携帯ゲームのスーパーマリオは大人気です!
私の息子もマリオのぬいぐるみが大好き。いつか私もゲームをプレイしたいです。

今回は、母子保健サービス活性化事業(HAKBESIK)の一環として、ディリ県保健局の担当者と一緒に行っている「保健センターとヘルスポストへのモニタリング活動」についてお伝えします!

💸モニタリングに予算がつかない現実…

このモニタリング活動は、保健センターとヘルスポストが抱える課題を明らかにし、運営を円滑にするために、保健医療サービスのマネジメント能力向上を目的として導入されている政府保健省の活動の一つです。

本来は、年4回(3か月に1回)の頻度で、東ティモール政府保健省・保健局が自分たちで計画し、東ティモール政府の予算に基づいて実施することになっています。

でも実際は…

モニタリングにはなかなか国の予算がつかないのが現状です😢

「(モニタリングより)もっと大切な活動がある」と優先順位が下げられ、後回しにされがちなんです。

現在はHAKBESIKの事業を通じて、シェアがこの活動を支援しています。しかし、限られた予算の中で対応すべきことが多く、加えて急なワクチンキャンペーンなどの保健省の方針変更もあるため、モニタリングが計画通りに進まないこともしばしばあります。

👀モニタリングでは何をチェックするの?

保健センター・ヘルスポストのモニタリングでは、主に以下の2つのポイントを確認します;

  1. 施設の状況確認(妊婦検査室、分娩室、予防接種室、器材など)

  2. 記録フォーマットの在庫と記載状況の確認
     (例:パルトグラム、母子手帳、ワクチン記録など)

写真1:各記録を確認中(左から:保健局担当者、新人助産師、シニア助産師、新人医師、新人看護師)

母子保健サービスは、妊婦健診→分娩→産後健診とそれぞれの段階に応じた記録が必要で、正確な記載が求められます。
保健センターやヘルスポストを訪問し、担当助産師と一緒に一つ一つ確認していきます。

😨去年の大慌て!新人助産師ジョアニニャさんの奮闘

昨年のモニタリングでは、助産師ジョアニニャさんが保健局の担当者から大目玉をくらってしまいました。彼女が作成したレポートと、ヘルスポストに保管されていた記録(妊婦健診数)が合わなかったのです。

彼女は大学卒業後にボランティアとして他の施設でシニア助産師の補佐をしていたという経歴はありますが、地元出身だからという理由だけで新人なのにマヌレウヘルスポストに1人で配属されました。これまで誰からも記録の取り方を教わっていなかったのです。

モニタリングで彼女が怒られた後、私はシェアの立場から彼女を支援する方法を模索し、保健局や保健センター長、シニア助産師と話し合いをしました。

写真2: 記録や施設運営状況について説明するジョアニニャさん(左から2番目、アネネは一番右)

✨勉強会を通じて見えた変化

話し合いの結果、シェアが実施を支援している保健センター勉強会で、記録の取り方やパルトグラムの使い方を取り上げることになりました!
シニア助産師さんたちも協力してくれることになり、新人助産師のジョアニニャさんも勉強会に積極的に参加しました。

写真3:保健センター勉強会に参加するジョアニニャさん(一番右)

📊今年のモニタリングで見られた成長

2月に実施されたモニタリングでは…
👏妊婦健診の記録と提出レポートの数が一致!
保健局の担当者に理由を聞かれたジョアニニャさんの答えはこうでした:
「モニタリングの後、シニア助産師の方々が指導してくれました。
最初は声をかけるのが怖かったけど、モニタリングで自分の課題が見えて、
自分から教えてほしいと伝えられるようになったんです。」

写真4: シニア助産師から指導を受けるジョアニニャさん(写真右)]

💓シェアスタッフとしての喜び

私も看護師として、かつて保健センターでボランティアをしていたこともあるので、ジョアニニャさんの気持ちが痛いほど分かります。
シニアスタッフには、なかなか声をかけづらい…
これは日本でもよくある話かもしれませんね。
今回のモニタリングを通して記録の質が改善されただけでなく、新人とシニアの関係性がより良くなったことは、私にとっても大きな喜びでした。

写真5:今年のモニタリングでは自信がついたように見えたジョアニニャさん(右から2番目)

📝おわりに

モニタリングは、単なる「確認作業」ではありません。
現場の課題や人間関係、そして実際に提供されている保健医療の質の向上に繋がる大切な活動です。
これからも、現場の声を大切にしながらこの活動を続けていきたいと思います!
HAKBESIKについてもっと知りたいという方は、👇をクリックしてくださいね。

母子保健サービス活性化事業(HAKBESIK)

フレリア・ファティマ・ピント(Anene)

東ティモール事務所ヘルスオフィサー(看護師)

*応援よろしくお願いいたします*
東ティモール事業支援

↓↓↓過去の東ティモル事業
ブログアーカイブ↓↓↓

旧スタッフブログ一覧(~2024.3)

旧スタッフブログ一覧(~2022.5)

「知っているシェア」から
「一緒に活動するシェア」に
しませんか?

シェアのメルマガ「うさぎクラブ」では、さまざま最新情報を配信します。

Donation

シェアは、いのちを守る人を育てる活動として、保健医療支援活動を現在
東ティモール・カンボジア・日本の3カ国で展開しています。