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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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[沖縄平和賞連載vol.7]途上国の現実-医療を受けられない人々のために-

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医療が身近にない日常

今回の東北の大震災で起きたこと、それは、これまでシェアが活動を行ってきた開発途上国に共通している点が多かったと言える。

災害の直後には、津波のための溺死が多かったが、その後は、津波により病院などの医療施設が破壊されるとともに薬剤などの流通が全く止まってしまい、病院に診療に必要なものが不足し、そのための犠牲者も多く出たと言われる。また、携帯電話などが全く使えなくなり、情報の交換が非常に困難になった。開発途上国において、よく言われる、ヒト、モノ、カネ、情報がないという状況に、一時的に置かれてしまったのである。このため、外部からの緊急援助が必要になり、途上国で援助活動をしているシェアも活動を行うことになった。

通常、日本では、熱が出たり、怪我をすると、すぐ病院に行き、そこで医者に診てもらえる。そんな簡単なことが、開発途上国では普通ではない。開発途上国の主な死亡原因は、肺炎、下痢、マラリア、結核などの病気であり、これ等の病気の中には、薬を飲めば治るものや、予防できるものも含まれているが、子どもたちを含め多くの人々が、簡単に亡くなっている。日本では、生まれてから1年以内に死亡する率(乳児死亡率)が、世界でも最もよく、1000人当たり3人であるが、アフリカやアジアの開発途上国では、100人以上の子どもが死んでいる。近くにクリニックや病院がない、たとえ、「病院に行っても医者はいない」である。状況のひどい、アフリカでは、50%の人々が、医療そのものにかかれない、薬を手に入れることができないのが現状である。病院がない、薬がない、そのような地域でシェアは28年間活動を続けてきた。

1985年、シェアはエチオピア飢餓被災民への緊急医療救援活動(沖縄タイムス2月27日参照)のあと、傷に絆創膏をつけるような一時的な緊急援助から、物事の根本を解決するという開発援助に活動方針を転換した。そして、開発途上国においての保健医療活動を開始することになる。カンボジアという復興をめざす国においては、住民のもっとも必要な保健サービスのための予防接種、栄養、教育、下痢などの問題に取り組んだ。タイでは小さな村に住み、村人の健康に影響を及ぼしていた下痢について、住民らと問題を見つけ、自分たちで井戸やトイレをつくるなどして解決してきた。カネ、ヒト、モノ、情報が十分ない地域において、住民に寄り添い、住民とともに、小さな問題を解決しようとした。時間はかかるが、人々の能力を信じ、彼らが考え、動き始まるのを待ったのである。住民のニーズに基づいて、彼らにとって使いやすい技術を使い、多くのセクターの人々との協力を得、自分たち自らが自立していく方法で実施していくというプライマリ・ヘルス・ケアの概念のもとに、活動を進めていくこととなった。 次回は、シェアがカンボジアで村人や保健センタースタッフと共に行っている、母子の命を守る具体的な取り組みについて紹介する。


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写真:紙芝居型の保健教育教材で村の母親らに保健教育を行うシェアの現地スタッフ(左)(2008年9月、カンボジア)


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仲佐保(国立国際医療センター医師、シェア理事)

沖縄平和賞連載
沖縄タイムス 2011年7月31日(日) 掲載
この記事はシェアが2010年に第5回沖縄平和賞を受賞したことをきっかけに、1年にわたり沖縄タイムスに掲載いただいたコラムです。
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