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【ブログ】支援の「その後」を支える対話:スタッフ5人が語る現場の葛藤と教訓

  • 思春期リプロダクティブヘルス啓発プロジェクト
  • 東ティモール事業
  • 東ティモール事務所職員 ロジーニャ・デ・ジェズス・ソアレス(Rosinha) プロジェクトマネージャー
【ブログ】支援の「その後」を支える対話:スタッフ5人が語る現場の葛藤と教訓

東ティモールの2月は、連日雨が降る季節です。山々は緑に覆われ、トウモロコシが力強く成長しています。雨は移動を困難にしますが、この地の命を支える大切な恵みでもあります。

こんにちは。プロジェクトマネージャーを務めるロジーニャです。2009年からシェアに所属し、長年東ティモールの母子保健に携わってきました。シェアと日本の支援者の皆様と共に歩んできたこの活動を大切に思っています。


2013年頃の私(後列左から4番目)。前代表理事の本田さんを迎えて。

「母子保健サービス活性化事業」は、2025年7月31日に公式に終了しました。しかし、活動は終わりではなく、2026年3月までフォローアップを続けていきます。事業終了後も、現地の人々が自分たちの力で健康を守れるよう寄り添うのがシェアの方針です。

地域の意思決定層との交渉

村の保健活動を定着させるためには、村長や集落長などのリーダーによる協力が欠かせません。私は「村落母子保健会議」を担当し、リーダーたちが地域の保健課題を「自分たちの問題」として捉え、保健ボランティアや学校教員の役割を正しく理解してもらえるよう働きかけました。
活動の初期段階では、医療の専門家ではない保健ボランティアに対して、疑問を抱く住民も少なくありませんでした。そこで、地域のリーダーが住民に対し、ボランティアの重要性を直接説明し、紹介してくれることは、活動を支える大きな力になりました。

事業が進むにつれて、リーダーたちは保健ボランティアへの理解を深め、自発的に協力し合える関係が構築されました。その結果、村長が自らボランティアに対して、学校での保健教育や診療所での業務補助を依頼するといった、積極的な協働が見られるようになりました。
事業が終了した後も、一部の村では定期的な会議の議題に保健を取り上げる動きが続いています。予算不足を理由に会議の実施を渋るリーダーもいますが、私たちは対話を重ね、地域の健康を守ることが将来的にどのような価値を生むのかを、粘り強く伝え続けています。


村長、集落長たちとの会議の様子

経済的現実とボランティア精神の共存

スタッフのオクトは、保健ボランティアが生活のために保健活動よりも彼ら自身の仕事を優先せざるを得ない現実に直面しました。「なぜお金をくれないのにシェアは毎月くるのか」と不満を言われたこともあります。彼は無理に活動を強制せず、移動診療のタイミングに合わせて保健教育を実施して欲しいと、保健ボランティアが生活の負担を感じにくい方法を提案しつつ、命を守る情報の重要性を伝え続けています。


保健センター長に対して保健ボランティアの現状を報告するオクト(左)

また、アタウロ島を担当するジョシオは、不便な交通環境の中で「空振り」を経験しました。訪問予定でも、急な農作業や用事で保健ボランティアが家を空けており、会えない状況が多くあったのです。ジョシオは周囲の住民に協力を仰ぎ、事前に情報を共有できる体制を整える努力をしました。

対話を通じて「相手の考え」から始める

医療従事者や行政との連携においても、意識の違いはありました。スタッフのアネネが、医療従事者を対象としたオリエンテーションを行った際、保健センターの看護師から「それは自分の仕事ではない」と拒絶されたことがあります。
アネネはそこで歩みを止めず、相手の意見を尊重し、聴くことから始めました。相手の考えを理解した上で、自分たちの伝えたいことを統合していくプロセスを重視しました。


医療者らの話を聴くアネネ(左)

また、アラオは保健センターの責任者レベルとの関係構築に注力し、保健センタースタッフ一人ひとりと対話を重ねた結果、彼ら自らが自発的に診療所を回り、課題を解決しようとする動きが見られるようになりました。

保健センター責任者レベルの方々と診療所を訪問した際のアラオ(左)

未来へつなぐ教訓

フォローアップ期間で、生活と活動のバランス、対話のプロセス、個々人との向き合い方など、多くの学びが得られました。これらは事業終了後も残る「無形の財産」です。私たちは、スタッフ会議などの場でこれらの経験を共有し、チーム全体の知恵として蓄積しています。事業期間は終了しましたが、私たちが蒔いた種は、今も各地で芽吹き始めています。これからも、東ティモールの子どもとお母さんたちの健康を、皆様と共に守り続けていければ幸いです。

スタッフ会議中 昔からお互いの意見を聞き合うことを大切にしています

東ティモール事務所職員
ロジーニャ・デ・ジェズス・ソアレス()
プロジェクトマネージャ

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