【ブログ】世界の健康のために何かしたい!一歩踏み出すための国際保健入門を開催しました。
こんにちは、インターンの近藤初菜です。大学院で公衆衛生や国際保健について学び、現在は海外事業部でお手伝いをさせていただいています。10月19日(日)、シェア=国際保健協力市民の会の東京事務所にて「世界とつながる国際保健入門:未来のキャリアを描く 」を開催しました。私はインターンとしてイベント運営のサポートをしつつ、参加者の一員としても学びを深めることができました。今回はその時の様子をご紹介します。
今回のイベントは、国際保健や国際協力に興味がある方を対象に開催され、当日は様々なバックグラウンドのある8名の参加者が集まりました。遠方からお越しくださった方もおり、自己紹介から早速イベントへの期待や関心の高さが伝わってきました!
午前の部では、シェアの代表理事の仲佐さんによる講義が始まりました。

はじめは、国際保健の歴史から、現在に至るまでの流れについて講義が行われました。プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)が始まり、2000年からはミレニアム開発目標(MDGs)、そして現在の持続可能な目標(SDGs)へと続く国際的な動きについて経緯や、それぞれの特徴を丁寧に説明していただきました。参加者の方々は熱心に耳を傾けており、仲佐さんが「なぜだと思いますか?」「前のゴールと何が違うと思いますか?」などと質問を投げかける場面もありました。

仲佐さんが講義されている様子
その後は母子保健と感染症についてお話ししていただきました。乳児死亡率や妊産婦死亡率の国別比較、妊産婦死亡の原因などが紹介され、図表やデータから健康課題を実感しました。さらに、三大感染症(エイズ・結核・マラリア)と新興感染症について、私自身、三大感染症について大学院時代に勉強しましたが、忘れてしまっている部分も多く、改めて理解を深める機会となりました。新興感染症や非感染性疾患についても同様で、成人の糖尿病が中東やマーシャル諸島で多いことには驚きました。その話題では、参加者の方からも意外だとの声があがっていました。
午前は講義形式でしたが、仲佐さんからの問いかけを交えた双方向のアクティブラーニングのような雰囲気で、皆さんリラックスして楽しみながら聞かれていたように思います。
インターンとしての参加ではありましたが、熱意のある皆さんと同じ方向を向いて学びを深められたことが嬉しく、私自身のモチベーションにもつながりました。
続いて午後の部に移ります。午後の部については、支援者サービスインターンの小林藤子がお伝えいたします。
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午後の部では、午前中の講義で学んだ内容を踏まえ、より実践的なプログラムが行われました。まず、「途上国の保健問題とその解決策」をテーマにしたグループワークを実施し、参加者同士で意見を出し合いながら課題の背景やアプローチ方法について考えました。実際にシェアで取り扱われた事例を通して、現場での対応力や柔軟性の重要性を学ぶことができました。
次に、HIVの感染力について理解を深めるための「水の交換実験」が行われました。コップに入った水を3回、異なる人と2滴ずつ交換し、最後に試薬を加えた時の水の色の変化から知らぬ間に感染してしまったり、誰かを感染させる可能性があることを知ってもらう実験になります。わずかな量の水でも色が変化したことで、気づかないうちに感染したり、周囲へ広めてしまうおそれがあることを実感することができました。参加者の方々はその変化にとても驚いていたようで、実際に体験することで理解がより深まった様子でした。
また、カードを使って、HIVの感染経路ごとの感染力の強さや感染の可能性のある行為を考えるワークも行いました。身近な場面の中で「感染する」「感染しない」を判断する活動を通して、正しい知識を持つことの重要性を改めて学びました。体験を通じて、感染症について学ぶだけでなく、日常生活の中で自分ができる予防行動を考えるきっかけにもなりました。このワークは、以前シェアでタイの事業を実施していた時に行っていた取り組みであり、医療機関向けの内容ではありません。参加者の中には医療従事者の方もいらっしゃり、「医療の現場でもこうした体験を通して学べる機会があれば良いのでは」という意見もありました。国際保健の学びは、専門分野に限らず多くの人に必要とされているのだと改めて感じました。
そして最後に、キャリアプランニングのセッションが行われました。ここでは、国際保健や国際協力の分野で活躍されている方々のさまざまな経歴やキャリアパスの紹介がありました。異なる分野や経験からでも国際協力の道へ進むことができることを知り、私自身とても学びになりました。参加者の皆さんもこのテーマに強い関心を持たれており、真剣に耳を傾けられていました。話の最後には質問も多くあがり、一人ひとりが自分の将来と重ね合わせながら話を聞いている様子が印象的で、実際の事例を通して、キャリアの可能性を広げるきっかけになっているように感じました。
今回の研修を通して、国際保健の現場で求められる知識や考え方、キャリア形成について、講義と体験の両面から学ぶことができました。参加者の皆さんがそれぞれの視点から積極的に意見を出されている姿が印象的で、その熱意に私自身も大きな刺激を受けました。こうしたキャリアを考える場に参加したことで、自分の将来を改めて見つめ直すきっかけにもなりました。今後も学びを重ねながら、世界とつながる一歩を踏み出していきたいです。
シェアでは、今回のように国際協力やキャリア形成をテーマにした研修のほか、さまざまなイベントを実施しています。国際保健の分野に関心がある方はもちろん、「少し気になる」「話を聞いてみたい」という方も、ぜひお気軽にご参加ください!
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