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[沖縄平和賞連載vol.10]在日外国人検診-通訳育成、患者を支援ー

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相談会と併設し受診増

「ずいぶん元気になったね。よかったですね。」「サンキュー ドクター。」首都圏の工業地帯のある集会施設で行われた外国人のための検診・健康相談会の一コマである。 20代前半のテレサさん(仮名)は、前年のこの相談会で結核であることが判明、入院治療を受け元気に社会復帰している。1990年代から関東甲信越地方の保健所では急増した外国人の間に結核検診を普及しようと努力したが、なかなか受診者が増えなかった。そこで1995年に川崎市が行う結核検診にシェアが行う健康相談会を連結して実施したところ100人以上の受診者があった。さらに、結核のみならず高血圧や糖尿病などさまざまな病気を早期発見することができた。これは、シェアが医師・看護師・通訳・受付や問診の担当者など総勢数十人のボランティアを派遣をすることにより、健康に不安がある外国人のさまざまな相談に応えることができたためである。この取組みは次第に周辺自治体に普及し現在では首都圏の6自治体がシェアと協力して外国人検診を行っている。中には300人を超える外国人が検査と相談に訪れた会場もある。

このほかシェアでは東京都保健福祉部の求めにより、14言語42人の通訳ボランティアを育成し、保健所の保健師さんと外国人結核患者さんの理解を助けている。結核は根治する病気であるのに言葉がわからずに治療が中断されてしまうことも少なくない。通訳が入ることで殆どの患者さんが薬を飲みきることができるようになった。

外国人が病院にかかることを難しくするもう一つの要因は、経済的な理由である。そこで、医療費や在留資格などの複雑な制度についての相談も受けている。婚姻届を出す矢先に重い脊髄の感染症で寝たきりになってしまった20代の女性は、健康保険がないため治療をあきらて帰国することを求められていた。シェアへの相談の結果、健康保険の取得ができ、日本の専門医の治療を受け今は走れるほどに回復した。相談は外国人のみならず全国の病院のソーシャルワーカーからも多数寄せられるようになっている。タイ人ボランティア達は、言葉の不自由な同朋を支援するボランティアグループ「タワン(太陽の意味)」を結成し、病気の予防や難病患者の通訳など精力的に活躍している。

病気を個人の責任にせず助け合って生きる。このことを外国人・日本人のボランティアと医療従事者が連携して取り組む輪が広がっている。


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写真:在日外国人を対象とした無料の健康相談会(2006年9月、東京都内)


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沢田貴志(シェア副代表理事、医師)

沖縄平和賞連載
沖縄タイムス 2011年10月23日(日) 掲載
この記事はシェアが2010年に第5回沖縄平和賞を受賞したことをきっかけに、1年にわたり沖縄タイムスに掲載いただいたコラムです。
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