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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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[沖縄平和賞連載vol.9]エイズ啓発活動-国政策で治療薬無料に-

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当事者参加で地域変化

シェアは、タイの東北部農村地域において1990年に地域の人々の健康のために活動を開始し、1994年からエイズの活動を行っている。

「私は今までHIV陽性者としてこの村で差別を一度も受けたことがありません。シェアが地域の人たちが差別しないように土台を築いてくれたから」と話をしてくれたAさん。最近Aさんは、都市部からの出稼ぎから村に戻ってきてHIV陽性者グループのメンバーとなった。この状態を目指して今までシェアは活動してきたので、私にとって夢のような最高に嬉しい言葉だった。

10年前タイでは、抗HIV薬による治療は高価なため、治療できずに、エイズを発症し亡くなる方が多くいた。人間関係が密接な村の中では、あっという間に噂が広まる。地域そして家族からの差別も非常に根強い。村八分にされてしまう人、家族から差別され小屋のような所に隔離をされている人もいた。また親が感染していることで、子どもがいじめられ、転校を強いられることもあった。

しかし2003年からタイでは治療環境が劇的に変化した。治療薬は国の政策により無料となり、もし服薬をうまく継続できれば、エイズ発症を抑えられる可能性が出てきた。これはタイのHIV陽性者にとって、大きな出来事の一つである。

それをきっかけに、シェアの活動地でもHIV陽性者グループによる自助活動が活発化していった。それとともにHIV陽性者たちは元気になり、働くこともできるようになった。その中で陽性者リーダーがシェアのサポートのもと、彼ら自身でグループの運営、会議の司会進行、体調の悪いメンバーへの家庭訪問、病院内でのカウンセリングなど実施できるようになっていった。

同じ境遇の仲間を助けたいという強い思いを持った陽性者リーダーたち。その思いは、自分の地域を変えるために、居住地での啓発にも力を注いでいくこととなった。その後、エイズの問題に関心のある住民と陽性者リーダーが協力してエイズボランティアグループを結成し、予防啓発や差別軽減のためのキャンペーン活動、HIV陽性者への家庭訪問などを地域で実施していった。

地域の問題解決には、私たちNGOが一時的に関わるだけでは、持続性がない。当事者であるHIV陽性者と住民の協力・参加があってこそ、少しずつ時間をかけて地域や人を変えていくことができる。私たちシェアはそれがうまく行くよう後ろからサポートするのが役目である。差別を受けたことがないというAさんの言葉は、まさに当事者と住民が地域を変えていったことを示しているものである。



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写真:地域でのエイズキャンペーンに参加するHIV陽性者リーダーとエイズボランティア(2004年6月、タイ)


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西山美希(タイ事業担当)

沖縄平和賞連載
沖縄タイムス 2011年10月2日(日) 掲載
この記事はシェアが2010年に第5回沖縄平和賞を受賞したことをきっかけに、1年にわたり沖縄タイムスに掲載いただいたコラムです。
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