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[沖縄平和賞連載vol.4]東日本大震災-厳しい三陸地域の状況ー

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医療復興へ長期の支援

未曾有の大災害となった東日本大震災。阪神・淡路大震災や新潟県中越地震に医療・看護救援チームを派遣した私たちにとっても今回の震災は容易ではない事態となりました。被災翌週の3月18日から宮城県名取市で被災地の医療救援に参加をした私たちは、その後、チームを分けて三陸海岸沿いの陸前高田市、ついで気仙沼市に入りました。峠を越えて下り道に差し掛かってすぐ想像を絶する光景が私たちを待ち受けていました。海から5km以上はなれた山間の地域まで多量の瓦礫が流れ込み線路が押し流されており、平地という平地が殆ど瓦礫と砂で埋まっていたのです。

今回の大震災後の救援を難しくしているのは、医療の拠点となる基幹病院までもが被災し機能が停止してしまったこと、燃料や電気が途絶えることで避難所の過酷な生活が長期間続いたことです。とりわけ三陸地域では、後方の支援を行うことができる地域までの補給線が長く、阪神・淡路大震災のときのように、高齢で体が弱い人々を被災地の外へ救出することが容易ではありませんでした。私たちが現地に到着した当時は、大勢の高齢者が普段服薬していた薬が流されてしまい高血圧や心臓病・呼吸器の病気などで病状を悪化させてしまうことが生じていました。

私たちが当初救援に参加した名取市は仙台空港も近く、被害の甚大さに比して復興が早く被災2週間後にはライフラインの急速な復興が始まっていました。しかし、長期間陸の孤島となっていた三陸地域の状況はさらに厳しく私たちは最終的に気仙沼市で長期的な保健医療の支援を行うことを決定しました。医療を必要とする大勢の高齢者を含めて地域の住民には今後も継続して医療が必要です。そのためには緊急時の被災者の治療を実施することだけでなく、地元の保健医療機関がしっかりと立ち上がり医療や看護や介護が継続して提供できるように見守っていく必要があります。私たちは海外のプロジェクトで、地域のニーズを聞き、住民主体で活動を進めるといったプライマリ・ヘルス・ケアのアプローチに基づいて、地域の人々が自分たち健康を守れるように力をつけていくのをお手伝いしてきました。同じように被災地の医療復興も、地域の人々が中心となって進め、息の長い、側面支援にしていきたいと考えています。


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写真:自宅に避難している高齢者を訪問する保健師と看護師(2011年4月2日、宮城県気仙沼市)


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沢田貴志(シェア副代表理事、医師)

沖縄平和賞連載
沖縄タイムス 2011年4月24日(日) 掲載
この記事はシェアが2010年に第5回沖縄平和賞を受賞したことをきっかけに、1年にわたり沖縄タイムスに掲載いただいたコラムです。
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