活動中
日本
言葉の壁をとりのぞき、母と子の健康をまもる
東京23区において、母子保健場面における派遣を中心とした医療通訳サービスを提供することで、保健医療福祉従事者による医療通訳活用が進み、外国人妊婦や母子へ適切で納得のいく切れ目ない支援が提供できることを目指します。また、女性普及員(*)と共に、妊婦や母親への訪問等による健康や母子保健サービスに関する情報提供、相談対応等を行い、外国人妊婦や母親、家族が、日本の保健医療サービスを理解し、妊婦や母親自身の健康、そして胎児や子どもの健康と向き合い、必要な母子保健サービス等に適切にアクセスできるようになることを目指します。
(*)女性普及員:ネパール人保健ボランティア
母子保健場面における派遣を中心とした医療通訳サービスを提供することで、保健医療福祉従事者による医療通訳活用が進み、外国人妊婦や母子に対して適切で納得のいく切れ目ない支援が提供できるようサポートします。対象地域を東京23区に広げ、17言語の医療通訳に対応します。また、外国人母子支援を中心に電話相談にも対応します。
東京都内4区を中心に、保健医療福祉従事者や外国人支援団体と情報交換や連携促進、相互の学び合いを目的とした会議を開催します。また、保健師を中心とする保健医療福祉従事者を対象とした外国人母子支援に関する勉強会を行います。今後は徐々に対象地域も増やしながら、より広い地域での支援の充実を目指します。
外国人妊婦が安心・安全に出産・子育てを始めていけるよう、外国人(ネパール、ミャンマー等)妊婦を対象に、オンラインで母親学級を開催します。自治体や医療機関とも連携し、必要な妊婦へ情報が届くよう参加勧奨等の協力を得ます。また、女性普及員や通訳者と一緒に、妊産婦訪問やネパール人集住地域などで、母子保健サービスや健康に関する情報提供や相談対応を行います。
新規通訳者研修・選考会を実施し、現場のニーズに合わせた新たな言語の通訳者の追加や、各言語の増員を行います。また、医療通訳サービスの質の維持・向上のためにフォローアップ研修を行います。併せて、医療通訳事業化に向けて、企業連携や資金獲得など様々な活動を行います。
1. 対象地域を東京都内4 区から10 区へ広げ、更なる連携と医療通訳の活用促進へ
母子保健場面の医療通訳は、年間274 件(昨年より94 件増)に対応し、依頼元の自治体は東京都内18 区1市他へと広がり、活用が更に広がりました。対象地域のうち新たに3 区で母子保健通訳の予算確保が進み、通訳を活用できる環境作りを進めることができました。対象地域の保健師等と外国人母子支援に関する情報交換会な
どを4回開催し、参加者は延べ158 名となり、相互の学び合いが深まっています。
2. 保健師等とも連携しながら、外国人母子への健康教育を実施
オンライン母親学級をネパール語で2 回、ミャンマー語で1 回開催し、参加者は過去最高の合計44 名となりました。また、女性普及員1)と妊婦訪問による情報提供を4 回行いました。ネパール人が主に通う幼稚園の保護者向けに幼児の栄養に関する健康教育を実施するとともに、中野区のネパール人集住地域でも自治体と連携して
栄養と歯科衛生に関する健康教育を行い、84 名のネパール人親子の参加となりました。
3. 外国人の保健医療へのアクセス改善に向けた活動も、関係機関と連携しながら継続
HIV や精神疾患など母子保健以外の医療通訳に24 件対応し、在留資格に関連した相談やHIV 患者の支援等、外国人の健康支援に関する電話相談に92 ケース162 回(昨年より33 ケース46 回増)対応しました。外国人労働者の健康課題解決のための情報普及・保健医療サービスへの道筋整備・連携体制強化の活動として、「健康ハン
ドブック」のネパール語・ミャンマー語・インドネシア語版の作成等を進めています。
4. 医療通訳体制の強化に向けて、医療通訳者の育成に専念
増加する医療通訳ニーズに応えるため、新規医療通訳者研修・選考会を2 回実施し、ネパール語、フランス語、ミャンマー語、英語の医療通訳者を計10 名増員しました。
また医療通訳者フォローアップ研修を3 回行い、延べ63 名が参加しました。
5. 医療通訳の必要性や外国人母子の支援について、保健医療福祉従事者等と共に多くの方へ発信
「外国人母子の健康を守る切れ目ない支援体制構築事業」3 年間の活動報告会を対象4 区の母子保健担当係長登壇のもと開催し(63 名参加)、活動報告書も作成し
都内23 区等へ配布しました。グローバルヘルス合同学会にて保健医療従事者・NPO 職員と共に医療通訳に関するワークショップを開催(約80 名参加)、在日外国人の健康権に関するセミナーをオンライン開催(当日89 名参加、アーカイブ371 回視聴)しました。
次年度の活動計画
WAM モデル助成事業として行っている母子保健場面での医療通訳活用促進や通訳の事業化に向けた活動が2年目を迎えます。休眠預金活用助成事業では、医療通訳ニーズの増加に伴い煩雑化している医療通訳派遣調整業務の効率化に向けたシステム開発などを進め、アドボカシー活動などにも力を入れていきます。
活動期間 | 2021年4月~2024年3月 |
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活動目的 | 在日外国人母子が安心して保健医療サービスを受けられる |
活動対象者 | 約1000名 |
活動地域 | 医療通訳活用促進:東京都23区、自治体等との連携:杉並区含む4区 |
運営体制 | 67名(担当3名、登録医療通訳者55名、女性普及員2名、アドバイザー7名) |
予算規模 | 約1,500万円(事業費) |
主要な支援者・ ドナー・財源 |
赤い羽根福祉基金、立正佼成会一食平和基金、WE21ジャパン厚木、啓発収入、寄付収入 |