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コミュニティにおける子どもの栄養改善プロジェクト

活動中

カンボジア

プロジェクトの背景

自治体主体の子どもの健康増進活動の推進を目指して

プレアビヒア州は、カンボジア国内でも特に子どもの栄養指標が低く、約26%の子どもたちが慢性的な栄養不良の状態にあります。脳や臓器が形成されていく「最初の1000 日」にしっかりと栄養をとることはもちろん、新型コロナウイルスの蔓延を経て、免疫力を高めて病気を予防することの大切さや、病気になった時にお母さんたちが正しいケアをすることができることの必要性がさらに増してきました。カンボジアにおいて地方分権化が進んでいることから、自治体組織である女性子ども委員会を巻き込み、自治体予算を活用しながら、現地の自立性と持続性を尊重して活動を進めています。
栄養指導をしている保健センタースタッフ

プロジェクト内容

プレアビヒア州において第2 期となるJICA 草の根パートナー事業においては、シェアがこれまで実施してきた母子保健・栄養改善のプロジェクトの経験を活かして、5 年間をかけて4 郡へ活動を拡大する予定です。事業は、大きく以下の3 つを柱にして進めていきます。①自治体が主体となり、予算作成も含めた子どもの健康増進活動の計画・運営・実施能力を強化②妊産婦・養育者が適切な子どもの栄養行動が取れるようになるために、子どもの健康増進活動を推進③重度の低体重の治療・改善によりコミットした活動を展開していきます。

乳幼児健診での体重測定

女性子ども委員会が子どもの健康増進活動を管理できる

コミューンが主体となって、予算作成も含めた子どもの健康増進活動の計画・運営・実施能力の強化を目指すワークショップを実施。また、継続地域で既に子どもの健康増進活動の経験がある女性子ども委員との経験共有をすることで、女性子ども委員の管理能力向上を目指します。

ベースライン調査の実施
女性子ども委員との会議
保健センタースタッフと女性子ども委員が活動計画を作成している

妊産婦・養育者が適切な子どもの栄養行動が取れる。

女性子ども委員会が、保健センタースタッフ・保健ボランティアと協力しながら、包括的乳幼児健診や離乳食教室、保健教育を推進します。

身長測定の様子
チェーブ郡コミューン女性子ども委員とシェアスタッフの意見交換
離乳食教室で説明している保健ボランティア

低体重児のフォローアップ率が改善される

課題となっている重度の低体重の治療・改善によりコミットした活動を展開していきます。低体重児の家庭を訪問し、保健センターでの治療を断念してしまう理由などについて養育者から聞き取りし、低体重児の背景にあるより具体的な要因を明らかにしていきます。

シェアスタッフが低体重児のリストを確認している
低体重児の家庭訪問
保健ボランティア会議での報告

今年度の報告/成果と次年度の計画

今年度の報告/成果

女性子ども委員が子どもの健康を変える

プレアビヒア州において第2 期となるJICA 草の根パートナー事業においては、シェアがこれまで実施してきた母子保健・栄養改善のプロジェクトの経験を活かして、5年間をかけて4 郡で活動を展開しています。また、2024 年は公益財団法人味の素ファンデーションの「食と栄養」国際支援助成を通して、ジェンダーと栄養をテーマにした事業も始動しました。2024 年度は5 年間のプロジェクトの前半2 年間で集中的に介入する2 郡(チェ―プ、ジェイサエン郡)で実施したベースライン調査の分析を行いました。ベースライン調査の結果は、調査対象全体の23% が低体重児、27% が発育阻害であり、カンボジアの全国値と比べてもいずれも高い値でした。最低限の食事の多様性(Minimum Dietary Diversity, MDD)や野菜や果物を全く食べない(Zero Vegetable or Fruit, ZVF)子どもたちが全国平均を大きく下回っており、高い低体重率との関連が推測されます。また、2 月に日本の栄養専門家を招いて実施した食事調査においても、一日に奨励されているカロリーに満ちていない子どもが多く、一部の子どもたちでどうにかカロリーが満ちている子どもはスナック菓子などの不健康なお菓子を摂取していることが分かりました。子どもたちの栄養改善には栄養価の高いおやつを食べてもらうことが重要になることから、2025 年度は栄養価の高いおやつ作りとその普及にも注力していきます。5 月にはチェープ郡とジェイサエン郡において、女性子ども委員の自治体予算・業務内容把握のワークショップを実施しました。また、11月から12 月にかけて、チェープ郡、ジェイサエン郡、サンコントマイ郡において「ジェンダーと栄養のワークショップ」も実施しました。ワークショップでは地域にあるジェンダー規範の振り返りや妊婦の栄養、離乳食に関するリフレッシュ(おさらい)研修も行い、研修前後のテストも全体的に知識の向上が見られました。ワークショップでは2024 年の活動の振り返りと次年度活動計画の策定も行いました。多くのコミューンが2025 年度は四半期に一度の子どもの健康増進活動を予定していますが、カンポンスロラオムイ・コミューンでは、シェアのサポートに頼ることなく、すべて自村の予算で計画を立てることができました。

女性子ども委員による離乳食教室指導

次年度の活動計画

女性子ども委員が管理能力を向上できるように

2025 年度は前半2 年間で介入したチェープ郡、ジェイサエン郡を対象にエンドライン調査を実施するとともに、後半2 年間で集中的に介入するクーレン郡において女性子ども委員を主導とした子どもの健康増進活動を展開していきます。具体的には女性子ども委員が管理能力を向上できるためのワークショップを実施するとともに、女性子ども委員と保健ボランティアが協力して乳幼児健診を定期的に開催していきます。また、2024 年に実施した栄養専門家による対象者の摂取食品量についての食事調査の結果をもとに、栄養補完食(BP100)を使用した栄養価の高いおやつ作りの普及を女性子ども委員と一緒に進めていきます。サンコントマイ郡では重度低体重児の子どもの家庭訪問等を実施する予定です。

過去年度の成果報告

本プロジェクトの
NGOスタッフブログ

  • 【カンボジア事業配信】カンボジアのデング熱対策~みんなで協力することが大切~

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    • カンボジア事務所 スタッフ フン
  • 【カンボジア事業配信】総合学習型ワークショップによる子どもの健康促進の取り組みと成果

    【カンボジア事業配信】総合学習型ワークショップによる子どもの健康促進の取り組みと成果

    • 東京事務局 カンボジア事業担当 有満 麻理
  • 【カンボジア事業配信】新現地代表よりご挨拶@カンボジア事務所

    【カンボジア事業配信】新現地代表よりご挨拶@カンボジア事務所

    • 東京事務局 カンボジア事業担当 有満 麻理

プロジェクト概要

活動期間

2023年4月~20283

活動目的

対象地域における5歳未満の子どもの栄養状態が改善される。

活動対象者

直接受益者:プレアビヒア州保健局、保健センタースタッフ、保健ボランティア、女性子ども委員会 

間接受益者:5歳未満の子ども推定15,827名とその養育者、妊産婦推定19,302名

活動地域

プレアビヒア州4郡(クーレーン/チェープ/チェイサエン/サンコムトマイ)25コミューン113村(11保健センター管轄区)

運営体制 東京事業担当1名、現地代表1名、現地駐在員1名、現地スタッフ10名、事業アドバイザー10
予算規模 3750万円(事業費)
主な支援者・
ドナー・財源

JICA、UAゼンセン、連合・愛のカンパ、自治労神奈川、パルシステム東京、ビッグローブ 他

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