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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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タイ 地域保健・エイズプロジェクト(1983年〜2015年)

タイ
目覚しい経済発展を遂げているタイ。都市部では近代的ビルが立ち並び、日々街が進化していきます。一方農村部ではお互いに助け合う共同体の中で稲作を中心とした農業をしながら、暮らしています。しかし都市部とは経済格差が拡がり、農村部では農業だけの収入では一家の暮らしは厳しく、現金収入を得るために、農閑期に都会などへ出稼ぎに行く人たちが多くいます。

活動記録(ブログ)

地域保健・エイズプロジェクト(タイ)

活動内容詳細

難民支援
タイ・カンボジア国境の難民村での診療活動(1983年-1985年)
1970年代末、周辺の国々から政情の安定しているタイに難民が流入。カンボジアとの国境に近い難民村で、JVCが行っていたレントゲンの移動診療に、医師が協力しました。


住民参加の保健活動
シケウ村下痢プロジェクト(ヤソトン県)(1990年-1995年)
なぜ下痢が起こるのか、保健ボランティア達と話し合い、寸劇や子ども達のポスターコンクール等を通して、村人自身が下痢の原因に気づき、井戸掘り、トイレ作り、ひしゃく作りを続け、3年後には村人自身で下痢の予防ができるようになりました。

シケウ村健康チェックプロジェクト(ヤソトン県)(1993年-1997年)
村人が自分達の健康状態を知るために、保健ボランティアのリーダーやヘルスセンターのスタッフと計画し、1年に2回のヘルスチェックを行いました。

ドンモーク村保健開発活動(ウボンラチャタニ県)(1992年-1994年)
村をきれいにするよう、学校の子ども達と村のゴミ掃除をしたり、保健ボランティア達とゴミ箱を作ることから始まり、その後健康チェックにも取り組みました。

カンタクウィアン村栄養・生活改善活動(ウボンラチャタニ県) (1992年-1996年)
小学生への保健教育や生活指導を行いました。保健センターの5歳児以下の体重測定と補助給食の活動に、保健ボランティアの参加を促し、一緒に補助給食のメニューを考えました。

カムクンケーウ村子ども自立センター支援(ヤソトン県)(1991年-1994年)
経済的な理由で中学校に通えない生徒たちのための施設に対し、宿舎や生活、子ども達が米作りや養鶏・養豚を行う費用を支援しました。

カンボジア人のタイ研修(1993年-1995年)
2グループ30数名のカンボジア人看護師・助産師などがタイの地域保健活動を学びました。


エイズプロジェクト
第1期(1994年-1998年)
東北タイに広がりつつあるHIV感染の現状を知り、HIV感染拡大防止とHIV/AIDSに関する人々の意識と理解を高め、陽性者を地域で支えるために1994年にエイズプロジェクト第1期を開始しました。
主な活動は、村人への保健教育ができるリーダーを育てるために、保健ボランティア、村のリーダー、主婦や若者グループ、学生を対象にエイズに対する「知識、意識、態度、計画、実践」のトレーニングを行いました。また小中学校・大学や地域でエイズ教育やキャンペーンを行い、予防のための正しい知識の普及や感染者を理解し、差別無く住める地域を目指しました。またアムナチャラン県病院において、母親の陽性者グループ作りを行い、定期的に集まり保健指導や、問題の相談などを行える場となりました。

第2期(1999年-2003年)
1998年で第1期を終了し、1999年からはエイズプロジェクト第2期を開始しました。村人がHIV陽性者やその家族を受け入れ、差別意識を克服し、陽性者と村人がともにエイズによる問題を解決するために、地域グループと陽性者グループを対象に活動を行いました。地域においては、エイズを身近な問題ととらえてもらえるよう、村のリーダーや主婦や若者のグループ、教師や保母を対象に、性とエイズ、家庭でできる看護方法やカウンセリングなどについて、トレーニングを実施しました。またHIV陽性者グループに対しては、病院でのグループ活動を積極的に行い、グループメンバーに対し、必要な知識や学ぶ場を提供しました。陽性者グループの中に、リーダーが育ち、リーダー中心として助け合い励ましあうためのメンバー同士が行う家庭訪問活動もできるようになりました。

第3期(2003年-2007年)
2003年から第2期に引き続き、エイズプロジェクトをウボンラチャタニ県、アムナチャラン県の新しい地域にて開始しました。活動地の地域住民の中で、村のエイズの問題を理解し、活動をしていくことに興味を持った人たちの中からエイズボランティアが生まれ、ボランティアグループとして地域のエイズの問題に取り組みました。また陽性者グループのリーダーとして、陽性者の自助グループとして励ましあい、エイズのことを学んできたHIV陽性者グループリーダーたちが、グループ活動を継続して行い、地域のエイズボランティアたちと協力し、HIV予防啓発活動にも積極的に関わるようになりました。このように第3期では、陽性者を支える地域づくりが実践され、それを担うエイズボランティアや陽性者グループをシェアはサポートしてきました。

第4期(2004年-2015年)
HSF/ シェア共同エイズ事業、HSF 組織運営強化支援事業
シェアタイ事務所は 2012 年に現地財団法人「HEALTH AND SHARE FOUNDATION」(以下 HSF)となりました。HSF は、HIV 陽性者自身が主 体的に健康を守っていけるような活動や、HIV 感染リスクが高い男性同性愛 者や性産業従事者を対象とした参加型の HIV/AIDS 予防啓発活動に地道に取 り組んできました。シェアは当事者主体で持続可能なエイズ事業を展開でき るように、HSF が行っているエイズ事業の運営を支援しています。2012 年 から 2015 年 12 月までを現地化移行期間として、シェアは HSF の組織運営 をサポートしました。


第4期(2004年-2015年)詳細

プロジェクト名
HSF/ シェア共同エイズ事業、HSF 組織運営強化支援事業

地域
ウボンラーチャターニー県 3 郡

対象者
HIV 陽性者、MSM(Men who have Sex with Men の略。男性同性愛者のこと) 、性産業従事者、地域住民、HSF

活動内容詳細
月例会開催、前に向かって進んでいく
HIV陽性者自助グループ(Mitrapap Rim Khong: メコン川沿いの友情)メンバーとその家族を対象に、グループのリーダーが中心となり、シェアと病院と協力して月1回の月例会を開催しています。そこではエイズに対する正しい知識や健康維持について、治療や薬についてなどの陽性者グループメンバーの必要とする情報の提供やお互いの悩みを相談できる場所となっています。また病院のスタッフも必ず参加し、健康診断とカウンセリングを受けられ、定例会後に医師による診断とエイズ治療薬の提供が行われています。またエイズに影響を受けている子ども(HIVに感染している子ども、エイズ遺児、親がHIVに現在感染しているなど)を対象とした定例会も継続的に行っています。ゲームなどを通し、子ども同士が仲良くなり、悩みを打ち明けることができるようになっています。


陽性者月例会の際のグループワーク水の交換というワークショップを通じてHIV感染について考える。子どもグループメンバーが描いた絵。「となりに座ろう」
写真(左):月例会の際のグループワーク。
写真(中央):水の交換というワークショップを通じてHIV感染について考える。
写真(右):子どもの絵。子どもグループメンバーが描いた絵。「となりに座ろう」


家庭訪問支援、陽性者が陽性者を支えています
週に2回、4つのHIV陽性者グループのリーダーが自主的に、月例会に参加しなかったり、体調の悪いグループメンバーへの家庭訪問を行っています。リーダーは、体調の悪い人には血圧測定をして、健康管理や抗HIV薬の服薬に関するアドバイスをしています。また介護の仕方がわからない家族へは、接し方や正しい介護方法についても説明しています。エイズの発症抑える抗HIV薬は、ずっと飲み続けていくことができれば、このままエイズを発症しない可能性があります。しかし副作用が強かったり、決まった時間にずっと薬を飲み続けないといけなかったりと、非常に継続して服薬するのが難しいと言われています。しかしリーダーによる積極的な家庭訪問活動により、シェアの活動地のHIV陽性者は、高い服薬の継続率を保っています。

陽性者リーダーが家庭訪問をしている様子。カウンセリング。病院にてリーダーがメンバーの薬を確認。
写真(左):陽性者リーダーが家庭訪問をしている様子。
写真(右):病院にてリーダーがメンバーの薬を確認。

ラオス人移住労働者/性産業従事者向けの活動、HIVを含む性感染症の正しい情報を得る-健康に暮らすためには
ケマラートはラオスとの国境沿いに位置する郡で、タイ人顧客が娯楽施設として利用しているカラオケバーが20ほど点在しています。この地域のカラオケ従業員はラオス人女性が多く、性産業に従事していますが、エイズに関する正しい知識や情報を十分持っていない人がほとんどです。ラオス人従業員とカラオケバー雇用主を対象に、HIVだけではなく、他の性感染症の感染予防方法や女性の体の仕組みなど、様々な情報をシェアから提供しています。
またラオス人従業員は医療へのアクセスが難しく、カラオケバー雇用主と病院関係者の協力の下、移動クリニックをカラオケバーで実施し、健康診断、血液検査やHIV抗体検査を行いました。今後は、病院側と連携し移住労働者の医療アクセスが向上できるように、システムを構築していきます。また雇用主と従業員だけではなく、カラオケバーの顧客にもHIV感染予防のメッセージを伝えていく予定です。

カラオケバーにて従業員への健康診断 カラオケ従業員へのトレーニング
写真(左):カラオケバーにて従業員への健康診断:病院スタッフと協力し、カラオケバーにて移動クリニックを行いました。(顔の見えている方は、保健局職員)
写真(右):カラオケ従業員へのトレーニング:シェアスタッフがラオス人従業員に向けて女性の体の仕組みについて説明をしている様子。

MSM(男性同性愛者)との活動、MSMグループからエイズの情報を発信。そして地域の人々へ
タイの中でMSMグループのHIVの感染リスクが高いことから、タイ政府もMSMへのHIV感染予防が重要ということを対策の中に位置づけています。タイのバンコクやチェンマイなどの都市部では、NGOが男性同性愛者(MSM)向けのエイズの活動を積極的に行っていますが、地方でエイズに関わる活動を展開するMSMグループは少ない状況です。ケマラート郡では、今までNGOがこの地域に入っていなかっただけではなく、エイズの活動を行うMSMのグループ自体も存在していませんでした。

そこでシェアはエイズの活動をMSMグループ自身が行えるように、MSMグループリーダーに対してトレーニングなどの人材育成を行っています。まずはエイズの問題に興味のあるMSMの方たちに集まってもらい、そこで継続してエイズ活動に関わりたいという人たちの中で、グループを結成しました。シェアと協力して、MSMグループ活動を中心に進めていくリーダーも誕生し、リーダー育成のためにトレーニングを実施し、地域のイベントで、MSMのリーダー自身が他のMSMや地域の人々にエイズのことを伝えられるようになっています。

MSMによるシェアの紹介MSMリーダー若者に研修をしている様子
写真(左):MSMによるシェアの紹介。エイズイベントにてシェアのブースを出し、コンドームやエイズに関するパンフレットを配布しているMSMグループリーダーの様子。
写真(右):MSMリーダーに若者に研修をしている様子。MSMリーダーが地域の若者向けにエイズの情報を伝えています。

予防啓発キャンペーン活動、手作りのエイズキャンペーン、若い世代だから伝えあえるエイズの知識

多くの人々が集まる村の行事や世界エイズデーにあわせて、地域行政も協力をしてくれ、エイズボランティアグループやHIV陽性者グループ、男性同性愛者グループ、カラオケバーでのラオス人移住労働者と協力してエイズキャンペーンを実施しています。エイズに関するメッセージを書いて村を練り歩いたり、HIV感染予防に有効なコンドームを配ったり、また学校やイベントの会場にブースを出展し、ポスターや展示物を通してHIV感染予防の大切さやエイズに対する差別軽減について訴えています。


エイズデーに参加するスタッフとボランティアパレードの様子
写真(左):エイズデーに参加するスタッフとボランティア。ケマラートで世界エイズデーのイベントにおいて、エイズの予防のメッセージをスタッフと地域住民と協力して行いました。
写真(右):パレードの様子。エイズキャンペーンで村を練り歩いてコンドームを配る活動対象者たち。

若者グループ支援

エイズによる問題に興味のある中高生を中心として、学校内にエイズクラブが結成され、会議を定期的に開催しています。また校内放送やエイズキャンペーンを自主的に行ったり、シェアと協力して、学生対象にエイズ教育を企画、実施することができています。若者から若者へ直接にエイズのメッセージを伝えていくことは、とても効果的です。 若者キャンプ 話し合いエイズに関する劇
写真(左):若者キャンプを行い、みんな仲良くエイズを学びました。
写真(中央):小さなグループに分かれて、HIV感染ルートについて話し合いました。
写真(右):エイズに関する劇をみんなの前で披露。

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