AIDSとは、正式な病名を「後天性免疫不全症候群」といい、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して起こる病気で、感染すると身体を病気から守る免疫システムが正常に働かなくなり、身体の抵抗力が低下し、健康な時にはかからないような様々な感染症や悪性腫瘍にかかってしまうものです。
HIVに感染しても、発症までは特に症状が出ない場合が多く、この症状がない状態はしばらく続きます。感染から発症までの期間は未治療の場合でも数年かかかると言われています。症状がないために気づかず、性行為などによって他人に感染させてしまう可能 性も大いにあります。この潜伏期間を過ぎると、身体の抵抗力が弱まり様々な病気にかかります。この発病した状態をエイズと言います。HIVを身体から取り除く治療法はまだないために、完全な治療法はありません。しかし、症状の原因となっている感染症の治療を徹底すること(日和見感染治療)で、症状を一時的に改善することもできます。以前はくり返し日和見感染を生じているうちに、死に至ることが多かったのですが、近年はウィルスの活動自体を抑える治療法 (HAART)が開発され、感染者の生命を大きく伸ばすことができるようになりました。早期発見によって自分の病状を把握し、医師と相談しながら、規則正しい生活やバランスのとれた食事、適度な運動などの健康管理に取り組むことで、病気の進行を遅らせながら社会の一員として生活を送ることができます。
HIVは感染力が弱く、感染経路がわかっているので予防をすることができます。感染を防ぐには、HIVの感染経路を正しく知ることが重要です。
HIVの感染経路は
・ 性行為による感染(精液・膣液)
・ 血液による感染(注射の回し打ちなど)
・ 母子感染
この中で最も多いのは、性行為による感染です。性行為においてコンドームを正しく使用することは、エイズだけではなく他の性感染症予防にとっても、非常に有効な手段です。しかし、正しく使用しなければ感染のリスクが高くなってしまいますので、正しく使いましょう。
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