【緊急支援】カンボジア・タイ国境紛争 カンボジア避難民支援
キャンペーン
カンボジアとタイ国境での武力衝突により、深刻な人道危機が発生しました。2025年12月24日時点で、タイと国境を接するカンボジア北部及び西部を中心に、61万人以上が避難を余儀なくされました。その後、両国の国防大臣による特別会合が開かれ、停戦が合意されました。しかし、現在もなお多くの人々が帰宅できず、避難生活を続けています。各地の避難所や身を寄せている親族宅では、食料や衛生用品が不足しています。こうした事態を受け、シェアカンボジア事務所では昨年12月より活動拠点であるプレアビヒア州での緊急支援準備を開始。現在は行政と連携しながら支援物資の配布を中心とした緊急支援活動を実施しています。
<活動内容>
・衛生用品や生活必需品の支援
※2026年2月5日以降のご寄付については、生活必需品に加え避難者のニーズに合わせて少額の現金給付も検討しています。(詳細については現地駐在員報告2をご覧ください。)
・地元当局(保健センター、自治体女性子ども委員や村の保健ボランティア)を通じた保健衛生支援活動
<寄付金の使い道について>
皆様からいただいたご寄付は、カンボジア・タイ国境地域の紛争で支援を必要している避難民の方々への支援活動及び支援調整費に使わせていただきます。
活動日:2026年1月12日
プレアビヒア州クーレン郡の3つのコミューンにおいて、親戚宅などへ分散して避難している約100世帯(約400人)に対し、米10㎏、調味料、食用油、洗剤、バケツなど、生活に不可欠な食料・衛生物資を配布しました。
避難者の中には、2025年7月から避難生活を続けている世帯も多く、「国境近くの自宅に戻れない」「収穫ができず、収入がない」といった切実な声が聞かれています。配布品目に含まれる10kgの米は、数日分の食料を確保する助けにはなりますが、長期化する避難生活を支えるには十分とは言えません。
停戦合意後も帰還の目途が立たない避難者は多く、食料不足や栄養状態の悪化、衛生環境の低下が強く懸念されています。こうした人々が尊厳を保ちながら生活を続け、将来的に安全に帰還できる環境を整えるためには、一度きりではなく、継続的な人道支援が不可欠です。

コミューンでの物資配布

物資支援のための避難者登録

物資配布の準備

避難民への物資配布

2つのコミューンの避難民が集まって、物資配布を待っている
※写真の無断使用は固くお断りいたします。
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活動日:2026年1月15日
クーレン郡2つのコミューン(12日の支援とは別のコミューン)に避難している75世帯に対し、米10kg、調味料、食用油、洗剤を配布しました。
今回は女性子ども委員会のメンバーが、衛生管理、子どものケア、産後ケアなどをテーマとした保健衛生教育も実施しました。
多くの世帯は親類宅に避難していますが、親族がいない世帯は主にパゴダ(仏舎利塔)を避難所として利用しています。
5月から避難生活を続けている世帯や、家族が銃創を負って入院しているため1人で避難している女性の事例も見られました。
自宅が国境付近にある世帯については、いまだ帰還の目途が立っていません。

女性子ども委員による保健衛生教育の様子

物資配布時のコミューン長挨拶の様子

コミューンでの物資配布の様子
活動日:2026年1月29日
クーレン郡東部に位置するパゴダで、身を寄せ合って避難生活を続ける182世帯へ物資配布を行いました。
このパゴダは幹線道路から外れた場所にあり、ピーク時には約1,000世帯を受け入れていました。12月末の停戦後、いったんは帰還した人もいましたが、国境周辺の不安定な状況から、再び避難してくる家族も増えています。
男性は軍隊での仕事や、紛争の影響がない地域で農作業をしていたりするため、避難所ではその姿が見えず、多くの女性や子どもたちが物資の支援を待っていました。その中にいた、2か月前から避難している14歳の少女は、学校に戻れない不安を抱えつつも「将来は医師になりたい」と、笑顔で夢を話してくれました。
避難者は今でもビニールシートで作った簡易テントでの生活をしています。水やトイレも十分とは言えず、決して楽な環境ではありません。それでも暗い表情を見せることなく、互いに声をかけ合い、支え合いながら前向きに日々を過ごす姿が強く心に残りました。
誰もが安心して日常へ戻れる日が、一日も早く来ることを願っています。

避難者へのインタビュー

物資の配布後、保健衛生教育中

世帯毎仕分けている物資の搬入
【現地駐在員報告2】報告日:2026年2月4日
シェアが活動するプレアビヒア州北部は、カンボジア・タイ国境に接する地域です。今回の国境紛争再激化を受け、多くの住民が国境付近の村々から逃れ、州中部の親戚宅を頼って避難したり、身寄りのない人々はパゴダ(仏舎利塔)で避難生活を送っています。
昨年末に両国間で停戦合意が成立し、一部では帰還が進みましたが、国境付近では依然として安全が確保されておらず、帰還許可が下りないため戻りたくても戻れない人々が多く残されています。避難者の多くは昨年12月上旬の紛争再激化に伴い避難してきましたが、中には5月の紛争発生当初から長期にわたり避難生活を続けている世帯もあります。
シェアは、皆さまからお寄せいただいたご寄付をもとに、避難世帯のニーズ調査を行い、これまでにクーレン郡で避難生活を送る360世帯に対し、米や調味料、洗剤などの生活必需品を配布してきました。避難者からは感謝の声が寄せられる一方で、「現金による支援」を求める声も次第に多く聞かれるようになっています。
現在、現地市場は概ね通常どおり機能しており、避難生活の長期化により、米や調味料といった必需品に加え、生鮮食品、衣類、交通費、子どもの学用品など、世帯ごとに異なる多様なニーズが生じています。現金給付は、こうした状況下で以下の点において有効な支援方法と考えています。
まず、避難者自身が「何を優先するか」を選べるため、尊厳を保った支援につながります。また、親戚宅、パゴダなどさまざまな避難形態にも柔軟に対応できます。
加えて、現地市場での購買を通じて地域経済を下支えし、避難者だけでなく受け入れコミュニティの生計回復にも寄与します。
シェアは今後も、現地の状況と人々の声に耳を傾けながら、物資支援に加え、現金給付を含むより柔軟で実効性の高い支援の実施を検討していきます。引き続き、皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。
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※今回の支援物資配布は、長年にわたりシェアの活動を支えてくださっているアーユス仏教国際協力ネットワーク様からのご支援と、この活動にご賛同いただいた皆さまからの温かいご寄付により実施することができました。
シェアは引き続き、自治体や村長、女性子ども委員会などのキーパーソンと連携し、特に乳幼児、妊産婦、高齢者、女性世帯主の世帯など、脆弱性の高い世帯を優先として、食料および衛生キットなどの物資配布に加え、衛生啓発や健康・栄養に関する情報提供を通じ、避難生活を送る人々の命と健康を守る活動を続けてまいります。