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母子保健サービス活性化事業1年次が終了しました!

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  • 東ティモール事務所 プロジェクトマネージャー ロジーニャ
母子保健サービス活性化事業1年次が終了しました!

こんにちは!皆さんお元気ですか?

ロジーニャです!今回のブログでは1年次が終わった母子保健サービス活性化事業について報告します。2022年3月から開始したこの事業ですが、実はまだブログでは紹介していませんでした…。

この事業にはテトゥン語で名前がついています!

私たちはこの事業をHAKBESIK(ハクベシック)と呼んでいます。東ティモール人、特に私たちのカウンターパートたちが親しみを持てるよう、ただ日本語から訳すのではなく、テトゥン語でも事業に名前をつけました。
Haforsa Asaun ho Konhesimentu BEfetividade Saude Inan ho oan iha Komunidade
“住民の母子保健に関する知識と行動を効果的に強化する”
これらの頭文字を取ってHAKBESIKとしました。このHAKBESIK、テトゥン語では「近づく」という意味があります。自分たちから住民へ、医療者へ、そしてスタッフ同士の距離も近づいて協力し合う。そんな事業を目指しています。

新事業Tシャツを作りました!似合っているでしょうか♪

事業地域は変わらずディリ県メティナロ郡、そして新しく県に昇格したアタウロで実施しています。前事業を開始した2019年当時と比較すると住民の保健施設へのアクセスは以下の表のように変化を見せました。予防接種や妊婦健診の利用率は上昇傾向にありましたが、東ティモールでも住民たちをパニックに陥れたCOVID-19の影響で2021年には保健サービスの利用率が低下してしまいました。

サービス利用率の推移(予防接種、妊婦健診 Aがアタウロ、Mがメティナロ)

COVID-19の影響を取り除きながら、住民の母子保健に関する理解を高めること、医療者の知識・技術が向上し、保健センターレベルの管理体制が整うことで、地域の母子保健が強化されること。これらがHAKBESIK事業の目標です。具体的には、妊婦であるお母さん自身やその家族が、いつ健診にいけば良いか知り、専門的な分娩介助者のいる施設での出産を決断するようになることです。一方で、医療従事者たちは正しくアップデートされた専門的な技術を持って分娩の介助ができるようになる必要があり、そのために医療者同士で知識や情報の共有ができるようになって欲しいと思っています。また保健センターは住民に一番近いヘルスポルト(診療所)を統括するような行政施設ですが、その保健センターがヘルスポルトから提出されるレポートを正しく管理したり、定期的に移動診療を実施できるようになると、地域全体から信用される保健センターとして機能していくことができると思います。

一年目の目標は達成できたかどうか…?

1年目を終えて、先月スタッフ全員で事業の振り返りを行いました。
事業の評価指標と照らし合わせ、何がまだ達成できていないか、サステイナビリティはあるかどうか、今後どのような計画で進めていくか…私たちの会議はいつも長いです。経験の長さは関係なく、一人ひとり意見を言い合います。黙っているスタッフがいれば話をしやすいように促します。また、アタウロとメティナロで活動の結果や進捗が違う場合、活動の方法やアプローチ方法に差異が無いかを確認するのも重要なことです。
会議の中でアタウロスタッフの話を聞くと、アタウロは特別県になったばかりということもあり、保健センター長がなかなか動いてくれない難しさがあるようでした…。センター長は時間が無くて会ってくれない、とスタッフたちは言っていましたが、何度も何度も連絡をすることが重要だと感じます(連絡のし過ぎで煙たがれないよう注意は必要ですが…笑)。

1年次の事業目標は、COVID-19によって遠ざかっていた住民と医療者の「つながり」となる機会を増やす、でした。私は、この目標は村での会議(母子保健の問題を皆で話そう! 村のキーパーソン会議|シェア=国際保健協力市民の会)を通して達成できたけれど完全ではないと感じています。なぜなら住民の保健施設の利用やアクセス(妊婦健診、施設分娩、産後健診)は低いままだからです。施設利用を増やすためには、住民への健康促進活動が重要だと考えます。活動の一つに、保健ボラン

スタッフ会議の様子

私が力を入れた活動

私が1年目の活動で担当したのは「母子保健委員会設立」の活動でした。この活動は、保健センターの中で委員会をつくり、彼らが自分たちのエリアの中で起きている課題を協議して解決していくというものです。会議を開くだけではなく、彼らがヘルスポストへ赴きモニタリングをして実際に課題を目にすることも大切です。現在のところ、メティナロの保健センターはとても活発に活動しています。会議を開き、委員会の役割を明確化し、どのくらいの頻度で何をするかもセンター長自らがイニシアティブを持って決めました。彼らがモニタリングフォーマットをつくり、シェアに意見を求めてくることもありました。1回目のヘルスポストモニタリングへはシェアスタッフも同行し、どんな様子なのかを確認してアドバイスをしたりしました。

メティナロ母子保健会議

委員会メンバーによるヘルスポストへのモニタリング

アタウロ保健センターでは、残念なことに委員会の役割や活動について明確にまだ話し合われていません…。重複になりますが、アタウロは特別県に昇格し、アタウロ保健局も置かれたばかりですから、人事異動やシステム変更などで多忙を極めているのだと思います。とても忍耐のいる仕事ですが、アタウロのスタッフには今後も保健センターと何度も連絡を取って欲しいです。

1年目の活動が終わり、保健ボランティアによる健康促進活動によって1つの集落から2人の妊婦さんが健診に足を運び、なんと施設での出産もされたとの嬉しい報告がありました!私たちの活動が少しずつ住民の行動変容に繋がっていると感じています。この嬉しさをバネに、これからも地道に活動を実施していきたいと思います。

これで1年次の活動報告は終わりです。今年からリプロダクティブ・ヘルス事業も始まり、相変わらず忙しい毎日を送っています。どうぞ、今後も皆さんの応援をよろしくお願いします!

ロジーニャ・デ・ジェズス・ソアレス(Rojinha)
プロジェクトマネージャー

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