2023年度報告「カンボジア事業」
コミュニティにおける子どもの栄養改善プロジェクト
カンボジア事業

保健ボランティア会議
ププレアビヒア州において第2 期となるJICA 草の根パートナー事業においては、シェアがこれまで実施してきた母子保健・栄養改善のプロジェクトの経験を活かして、5年間をかけて4 郡へ活動を拡大する予定です。
2023 年度は5年間のプロジェクトの前半2年間で集中的に介入する2郡(チェーブ郡、チェイサエン郡)の女性子ども委員への情報収集を実施するとともに、対象地4郡でキックオフミーティングを実施し、女性子ども委員から、コミューン(複数の村保健ボランティア会議の集合体)が主体となって子どもの健康増進活動を実施していくことについて共通の理解を得ることができました。9月~11月にかけては保健センタースタッフ、保健ボランティア、女性子ども委員を巻き込んで、養育者、妊産婦を対象として、介入前の子どもたちの栄養状態、食事や子どものケアに関する知識と実施内容、衛生の知識と実施状況、食事摂取群などを把握するためのベースライン調査を実施しました。今後は調査結果を分析し、プロジェクト開始時点の指標を作成していきます。
また、一部の保健センターにおいては、保健ボランティアを対象としたリフレッシャー研修を行いました。研修では保健ボランティアの役割と責任、子どもの栄養、イエローカード1)の記入方法、正しい身長と体重の測り方、MUAC(上腕周囲径)、保健センターにおける急性栄養失調治療について学びました。プレテスト・ポストテストでは23%の向上が見られ、これから地域での定期的な健診活動や保健教育が積極的に行われるようになるための準備が着実に進められました。
1) 5歳未満児の子どもの出生時体重、予防接種記録、成長曲線グラフが記録できるカードで保健省から養育者に配付される。