【東ティモール事業配信】抜けた歯は石の隙間へ?ネズミの歯を願う東ティモールのユニーク習慣
日本の皆さん、こんにちは。元気でお過ごしですか?ジョシオです。
東京では雪が降ったそうですね。東ティモールでは雪が降ることがないので、見てみたいです。とても寒いようなので、皆さま体調にはお気をつけてお越しください。
現在、シェア東ティモールでは、学校の先生方が保健の授業を生徒たちに教えられるように教員研修を実施しています。
昨年11月に「むし歯のしくみや歯磨き」に関する学校保健の研修が終わり、現在は株式会社オーラルケア(以下、オーラルケア)さんにご寄贈いただいた歯ブラシとともに、教材の配布をしているところです。研修を実施する前に、オーラルケアさんから歯についてのオリエンテーションを受け、実際日本で使われている歯ブラシを見ましたが、何が驚いたかって日本の歯ブラシの小ささでした!
歯ブラシ比較写真(左:TL一般的な歯ブラシ、右:オーラルケア様寄贈歯ブラシ)
日本と東ティモールの『歯』事情は実は結構違うのかもしれません。どう違うでしょうか。今月は東ティモールの『歯』事情についてお伝えしたいと思います!
私自身の記憶を思い出してみましたが、両親から歯を磨いてもらった記憶や、学校で歯について学んだ記憶はありません。駐在員の日本人スタッフが、日本では子どもを横にして父や母が歯を磨くと聞きましたが東ティモールにはそのような習慣はありません。いつの間にか磨ける(?!)ようになっています。
歯ブラシは50セントで購入が可能です。歯ブラシが買えないときは、(繊維がたくさんある)ココナッツの実を歯ブラシとして代用していました。歯磨き粉は必ず使います。こちらも60セントくらいで購入可能ですが、在庫がなくなることもあるので、そんなときは石鹸を歯ブラシにつけて磨きます。
ココナッツ歯ブラシ 手に持って歯にあてて磨きます
抜けた歯ってどうしているの?と日本人駐在員に聞かれたので、「なんでそんなことに興味を持つんだ…?」と不思議でした。アタウロでは、石と石の間に埋めます。理由は教えられていませんが、両親からそのように言われて、私はそうしていました。この機に他のスタッフに尋ねてみました。抜けた歯に息を吹きかけ、こういうそうです。
「受け取った歯(抜けた歯)は牛の歯で、私がもらう歯(生え変わる歯)はネズミの歯」
その後、股の間から歯を投げます。
そうすると、小さな歯に生え変わると言われているそうです。
私はこの話を聞いた時、笑いました。それを話してくれたスタッフの歯が大きかったからです(笑)。
私の住んでいるアタウロには、歯医者がいません。歯科衛生士もいません。歯が痛くなったら、湿布(東ティモールでも“サロンパス”が売っています)を買って頬に貼るか、はちみつを常温の水に混ぜてうがいをし、痛みを和らげるしかありません。
そして、ディリに行ったときに病院に行って歯を抜いてもらうのです。値段は5ドル~45ドルです。歯を抜く場合は45ドルかかります(激高です)。公共の医療機関であれば無料で抜いてもらうことができます。
ディリにあるプライベート歯医者(Googleマップから)
歯の痛みは本当につらいです。仕事中に歯が痛くなったことがありましたが、とても耐えられず、早退させてもらったこともあります。それ以降、ちゃんと歯について学びたいと思っていたので、オーラルケアさんから学んだ、歯についてのオリエンテーションはとても勉強になりました。むし歯菌がどこに住みやすいのか知ることができ、また甘いものを長時間かけて食べたり飲んだりしてはいけないと学びました。
事務所で朝と午後1回ずつコーヒータイムがありますが、私は飲むのをやめました。スタッフが砂糖を混ぜて長時間飲んでいたら、「むし歯になるよ!」という声掛けもしています。
昨年12月、教員研修をおこないました。学校で先生から「保健」の授業を実施してもらうことが目標です。今年は『歯』をトピックとして取り上げました。毎日歯を磨く、甘い物を食べない、この二つを守ればむし歯にならないと考えている先生、そして生徒が多くいます。「菌」の住みやすい箇所を意識して磨くこと、この情報を伝えられる授業を考えました。私のようにむし歯でつらい思いをする人が少しでも減るといいなと願っています。
東ティモール事務所
フィールドオフィサー
ジョシオ・ソアレス(Josio)
シェアは、いのちを守る人を育てる活動として、保健医療支援活動を現在
東ティモール・カンボジア・日本の3カ国で展開しています。