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兄弟の不仲さが県名に?東ティモール・マヌファヒ県の紹介

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兄弟の不仲さが県名に?東ティモール・マヌファヒ県の紹介

兄弟の不仲さが県名に?!東ティモール・マヌファヒ県の紹介

日本の皆さん、元気でお過ごしですか?現地スタッフのロジーニャです。

日本では名探偵コナンの新作映画がまた来年公開されるそうですね!日本のアニメではNaruto(ナルト)が東ティモールでもよく観られています。テトゥン語でのアニメはまだなく、インドネシア語の吹き替えでアニメやドラマを観る家庭が多いです。

さて、新事業開始に向けてあらたな県に調査に行ってきました。どんな場所だったのか皆さんに紹介します!今回調査した県は東ティモールのコインと関係のある県です。

基本情報

マヌファヒ県は首都ディリから車で南へ4時間の場所にあります。道路状態はそこまで悪くありませんが、カーブの多い道が続くので車酔いしやすい方にはつらい道中になるかもしれません…😢マヌファヒ山、カブラキ山、ファヒネハン山(この山は「豚の歯」という意味です)など、標高の高い山々が集まっている県でもあります🌄
県の南は東ティモール海(波が高いので「男海」と呼ばれています)に面しているので、海も山もある風光明媚な県です。

<写真1:マヌファヒ県情報>

ディリからマヌファヒ県に入るまでは標高の高い道を抜けていくので途中涼しく感じたりもしますが、中心地に向けて坂を下るため少しずつ暑く感じます。マヌファヒ県は水が豊富で、農業で生計を立てている住民が多いそうです。

「マヌファヒ」名前の由来 

テトゥン語でマヌは鶏🐓、ファヒは豚🐖です。私は首都ディリの横にあるリキサ県出身ですので、マヌファヒ県のことはわからず、もしかしたら鶏と豚が多くいる、だからマヌファヒ県というのだと思っていました。調べてみると名前の由来は2つあるみたいです。

由来1:「分裂した兄弟(=Maun Fahe)」

まだ東ティモールが小国家に分かれていた時代、統治争いが兄弟間で起こり、1つの兄弟が離れ離れになってしまったそうです(のちに一人の支配者に服従することで仲直りする)。ちなみにこの一人の支配者というのが1911~12年にかけてポルトガルの植民地支配に対し最大の反乱を引き起こしたドン・ボアベントゥラと言われています。彼の像がマヌファヒ県にあり、1ドルコインの裏側にも印刷されています。

<写真2:ドン・ボアベントゥラの像(マヌファヒ県ダイスラ村)と1ドルコイン>

由来2:「豚と一緒に旅をした雄鶏(=Manu Fahi,鶏と豚)」

マヌファヒ県の村ダイスラ村につたわるおとぎ話。雄鶏が山から飛び降りて豚の背中に着地。豚と一緒にさまざまな場所を旅して家に帰ってきたというストーリー🐖🐓

<写真3:東ティモールの鶏と豚>

どちらが県名由来の真実なのかはわかりませんが、なんだか聞くとワクワクしますね!(私だけ…?笑)

事業候補地を決める前に

事業地を決める際、シェアは必ず保健省と話し合うようにしています。保健に関するデータを持っている彼らから、「マヌファヒ県は長期的に支援に入るNGOがおらず、母子保健に関するデータも非常に悪い」と伝えられました。
これまでマヌファヒ県の支援に入ったNGOは、2~3年すると支援を終了させて撤退してしまい、活動も継続されないケースが多いようです。

<写真4:東ティモール保健省 母子保健に関するデータ(2021年)>

この表をみると妊婦健診、医療者による分娩介助も国平均から下回っていることがわかります。
また、流産や妊娠中に血圧が高くなる(妊娠高血圧症候群)などの合併症にかかる人も多くいるようです。

県保健局としてどんな課題を認識しているのか、そしてシェアが今後一緒に働いていけるか(受け入れる体制があるかどうか)確かめるため、直接マヌファヒ県を訪問しました。

遂に訪問!マヌファヒ県

まずは県の中心地であるサメ・ヴィラ郡を訪問しました。県保健局長は、特に課題があるのは母子保健だと述べ、母子保健がカバーしているプログラムの多さ、医療従事者の人材と技術の不足、住民の健康に関する理解の不足を憂いていました。

<写真5:マヌファヒ県中心地の様子>

<写真6:県保健局を訪問(ロジーニャ(右)と深堀(左)>

中心部・郊外にある保健施設も訪問。器材のチェックを行うとともに、ちょうどアウトリーチサービス(巡回診療)であるSISCaを実施していたので、住民へのインタビューをスタッフ4名で行いました。終了後にスタッフで集まりお互いに感想を述べあった際驚いたのは、“自宅出産”が多いこと!SISCaには、薬がもらえるから、子どもの体重測定、予防接種を受けるために来ていると答える母親が多く、自分自身の妊婦健診を目的としてSISCaに来ている女性が少ないことを感じました。

<写真7:郊外にあるヘルスポスト>

<写真8:SISCaを訪れている母親たち>

自宅出産の理由を聞くと、医療者との信頼関係に問題があるようです。遠くから歩いてヘルスポストに来ても開いていないことが多いため、近くで介助をしてくれる産婆(=伝統的な産婆。医療者としての訓練は受けていない、村の取り上げ婆さんとして認知されている人。学校で学んでいるわけではないので、個々人のスキルに違いがある)に頼る方が良い、または自分の親にへその緒だけ切ってもらうと話してくれるお母さんもいました。医療機材や人材の不足や技術に対する不安・不信が医療者の勤務にも影響を与えているようです。

調査の結果を報告し、これらの課題を解決するためには何をすれば(何があれば)良いか?県保健局スタッフ、サメ・ヴィラ郡保健センタースタッフとともにワークショップを行いました。あまり参加する人がいないかな…?と思っていましたが、皆さん前のめりで参加してくれました!NGOの支援が入ること、このようなワークショップを一緒にやる団体はこれまでいなかったそうで、シェアと一緒にこれらの課題を解決していきたい、と最後に話してくれました✨

<写真9:ワークショップ無事に終わり!>

今月のブログはこれでおしまいです😊シェアの活動が他県へも波及できますように🙌マヌファヒ県での活動が開始できることになったら、また詳細を報告させてもらおうと思います!

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