9月11日よりベースライン調査が開始しました!
皆さんこんにちは。カンボジア事務所のモーガンと溝口です。
カンボジア事業では、「コミュニティにおける子どもの栄養改善プロジェクト」が4月から始まりました。現地では、プロジェクト開始時点の子どもや妊婦さんの栄養状態や、栄養に関する知識を測るためのベースライン調査の準備を行ってきました。
4月頃からカンボジアの保健省倫理委員会に調査実施の許可を得たり、質問票を作成したりと準備を重ねてきました。ベースライン調査では、対象地域に住む5歳未満児の子どもを持つ養育者約130名(3710名中) 、妊婦約170名(397名中)を対象にして、質問用紙を使ったインタビュー調査と身長・体重測定を実施します。
調査に先立って、実際の活動地で協力をしてくれる家庭で質問票が上手く機能するかどうか、また質問者であるシェアのスタッフが質問の仕方などを練習しました。村の保健ボランティアさんに対象家庭の場所を教えてもらいながら、練習に協力してくださる家庭を訪ねていきました。練習を通して、質問票の順番が答えやすいものになっているか、質問者の聞き方が正しいかどうかをひとつずつ確認していきました。
【写真1:個別訪問の様子】
今回身長計を日本医科大学武蔵境校舎スポーツ科学教室(非常勤)の武藤三千代さんに寄贈していただきました。今シェアにある身長計はスチール製の手作りのもので、数も限られています。今回寄贈していただいたことで、調査もぐっとはかどりますし、このあとの乳幼児健診でも大切に使わせていただきます。
【写真2:武藤三千代先生に寄贈していただいた身長計】
質問票の準備と同時にボランティア会議を開き、調査対象村の子どもと妊婦さんのリストの精査をしています。会議前に各村から名簿を受け取っていますが、実際に確認していくと子どもの名前が違っていたり、年齢が対象から外れていることがあります。これらを一つずつ確認しながら、名簿の精度を上げていきます。これらの細かな作業はスムーズに調査をしていく上で必要不可欠です。
【写真3:ボランティア会議の参加者と記念撮影】
今事業でもカンボジア北部のプレアビヒア州で活動をしています。一部の地域はラオスとの国境沿いにあり、村の人々はラオス語を話します。調査では保健ボランティアさんがカンボジア語とラオス語の通訳をすることになっており、質問の言い回しなどロールプレイ形式で試しています。
最後になりますが、質問票の作成に際して、保健統計学がご専門家の和洋女子大学豊川智之教授に多大なご協力をいただきました。いつもながら予算に苦しむシェア・カンボジア事務所ですが、調査専用のカンボジア人スタッフを雇用することができず、自前のリソースでやりくりをする中、事業地が拡大したこともあり、調査の標本対象者数がこれまでシェアが経験してきた数よりも多くなり、調査完了に要する時間やリソースなどにとまどっていました。どうやって乱気流の中にいる飛行機を着陸させられるかとハラハラ・ドキドキの日々を過ごしていました。そんな中、豊川先生にご協力いただいたことで、最終対象者数、対象地域数を絞り込むことができ、無事飛行機を安全に着陸させることができました。豊川先生には心より感謝申し上げます。
事業を進めていくためには、本当にたくさんの方のご支援、ご協力、そして調整作業が必要です。読者の皆さまもぜひ、何らかの形でシェアをご支援いただけますと幸いです!
シェアは、いのちを守る人を育てる活動として、保健医療支援活動を現在
東ティモール・カンボジア・日本の3カ国で展開しています。