始動!女性子ども委員会による活動のコーディネーション
こんにちは。カンボジア事務所の溝口です。最近のプレアビヒアは雨続きだった日々から一転、青空が広がる日が多くなっています。カンボジアにも秋があるのでしょうか、心なしか爽やかな気がします。
さて、8月のブログでお伝えしていた、女性子ども委員による包括的乳幼児健診のコーディネーションが少しずつ彼女たちによって始まっています。
女性子ども委員が計画した日程で、保健センタースタッフや村の保健ボランティア、そして多くの子どもたちが乳幼児健診に集まってきました。これまでの乳幼児健診ではシェアのスタッフから保健センタースタッフへ、活動日のリマインダー連絡をしていました。こうした日程調整の役割も今回から女性子ども委員が担っていくので、はじめはスムーズに行えるか少し心配もしていたのですが、問題なくこなすことができていました。
当日、一番乗りで会場入りしていたのは女性子ども委員とそのアシスタントでした。離乳食教室で使うお米を既に自宅で炊いてきていて、下準備もばっちりでした。その後保健ボランティアさんや保健センタースタッフが到着し、子どもの身長体重測定や、養育者のBMI測定が始まっていきました。それぞれの役割がはっきりとしていて、時々シェアのスタッフが手持無沙汰を感じるくらい(!)、地域の人々によって乳幼児健診が行なわれていたのが印象的でした。
【写真1:保健ボランティアによる養育者の身体測定】
活動が少し落ち着いたころに女性子ども委員に話を聞くことができました。今回の乳幼児健診では1村につき9万リエル(日本円で約3000円)の予算が自治体から引き出されていることを教えてもらいました。この予算が離乳食教室の食材費、村の保健ボランティアの交通費、女性子ども委員の交通費や人件費として使われていて、食材費には5万リエル(日本円で約1650円)が充てられていました。予算内でカバーしきれなかった保健センタースタッフの交通費などは引き続きシェアからも支援しながら、今後の自治体の計画などを見守っていきます。
今回の乳幼児健診は、8月に実施した活動のコーディネーション会議後はじめて実施された健診でした。その中で印象的だったことが2つあります。一つ目は、活動費が滞りなく自治体から女性子ども委員へ配分されていたことです。過去には活動費を自治体へ申請しても、実際に費用が降りてくるのが活動後になってしまって、女性子ども委員の金銭的負担が大きくなっていたケースを聞いていました。今回は乳幼児健診を実施した自治体では、そうしたことはなく、スムーズに予算の引き出しと配分が行なわれていたようです。活動予算を女性子ども委員が受け取るタイミングはそれぞれの自治体のやり方で異なりますが、前回のコーディネーション会議に予算を管理する出納帳係が参加して、活動計画を一緒に立てることができたことが予算面がスムーズにいったことのひとつなのかもしれません。
【写真2: 女性子ども委員が離乳食の作り方を説明しているところ】
二つ目は、保健ボランティアさんに対して交通費が自治体の予算で支払われるようになっていたことです。バイクで村中の子どもたちの家庭をまわり健診のお知らせをしている保健ボランティアさんにとって、ガソリンの消費は大きな影響を与えています。燃油価格の高騰もあり、最近では1L分のガソリン代が1回の食事ができる位まで値上がりをしていることも事実です。そんな中で、自治体が交通費の必要性を感じ、自分たちの予算から支払われるようになったのは大きな意味があるように思いました。
これからコーディネーション会議に参加した5人の女性子ども委員が順次、乳幼児健診を実施していきます。シェアはそれぞれの女性子ども委員がどのように活動をコーディネーションしていくか、またその過程で出てくる困りごとなどを一緒に解決していきたいと思っています。
【写真3: できあがった食事を食べている子どもたち】
シェアは、いのちを守る人を育てる活動として、保健医療支援活動を現在
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