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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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東日本大震災、変化するニーズを振り返る

隠れたニーズに応える、巡回訪問相談活動(宮城県気仙沼市)

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2011年3月11日の東日本大震災では、各地から支援が集まりました。しかし、三陸沿岸の被災地は複雑な地形のために小規模の避難所が多数あり、これらの避難所や在宅被災者には、支援の手が行き届きにくい状況がありました。シェアは、気仙沼市が県外の自治体派遣保健師、ボランティアによって構成した「気仙沼市巡回療養支援隊」の「巡回健康相談班」として、在宅被災者を中心に巡回訪問を行いました。訪問記録のデータ1から見えてきた被災地のニーズをお伝えします。

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高齢者を中心に訪問、家族の支えや介護サービスを得て生活

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1:4月2日〜9月30 日の「巡回健康相談班」の訪問(高齢者を中心に訪問)記録による。シェアの持つ資料より傾向をまとめた
2:一次避難所の訪問を除いた値
3:一次避難所が学校や総合体育などの一般的な避難所であるのに対し、二次避難所は一次避難所での生活が困難で、介護などを必要とする人を一時的に受け入れる施設。ホテル等の宿泊施設を利用する 
4:65歳以上世帯の状況は、2011年3月26日〜5月15日の訪問調査による。調査件数1,112件  5 厚生労働省平成22年生活基礎調査



高齢社会の日本、災害時の介護ニーズに対する準備を

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相談人数、相談率ともに時間の経過とともに減少していきますが、6月は相談率(71.6%)が増加しました。仮設住宅への入居が始まり、新しい生活環境に入る方々が増えたことや、地元の保健師が訪問へ同伴したりサポートが可能になったため、相談しやすくなったことなどが背景にあります。また「巡回健康相談班」も、震災直後の安否や被災状況把握の時期を過ぎて、PTSDを含めた精神面への支援にも重点をおき、時間をかけて訪問ができる体制になっていました。

相談内容は、高齢者介護が全体の2割を占めています。高齢者のみで暮らす世帯もあり、電気や水道などのライフラインが止まり、被災で行政や福祉事業所が機能しない状況下で、高齢者同士で介護することは困難です。体力低下により、新たに介護が必要となるケースもあります。

医療救護と同様に災害時の介護サービスに関して、外部支援の受け入れ体制や、介護関連事業所や行政が連携してのサポート体制を準備していくことが必要ではないでしょうか。




地元の立ち上がりにあわせた支援が、復旧を後押しする

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訪問診療班など外部からの医療支援への紹介は6月以降大きく減少します。再開した医療機関・福祉事業所等が地域の医療を担うようになり紹介先を切り替えたからです。住民も自ら医療•福祉サービスにアクセスするようになり、「健康相談班」からの紹介も次第に減少しました。相談内容も介護や心のケア、障害者福祉が中心となり、健康増進課など気仙沼市行政に対応を引き継ぐ件数が増えました。

シェアは、徐々に回復する行政、医療機関、福祉事業所などと連携をとり本来の地域の形に戻していくことを大切にし、緊急支援を行ってきました。

緊急支援の主役は、自ら被災しながらも地域で被災した人々の命•健康を守るために奮闘する地元の人々であると考えています。



6:訪問1事例に対し、相談内容が複数の場合もある
7:5月〜9月の値。全相談数を100%として換算。訪問1事例に対し、相談内容が複数の場合もある
8:5月24日 気仙沼市立病院通常診療開始
9:9月の相談内容:高齢者介護40.4%、心のケア19.3%、障害者福祉10.5%

6カ月の緊急支援を28人が執筆、震災活動報告書
東日本大震災の6カ月に亘る緊急支援を記録。シェアスタッフだけでなく、気仙沼市の行政職員、地元の福祉事業者、医療従事者などが執筆し、被災者の視点からも緊急支援を伝えている。巻末には巡回訪問で実際に使用した資料があり、 今後の災害対応の際の参考となる。

2013_7.png『東日本大震災緊急支援NGOシェアの保健医療活動報告書1
地域・行政・NGOが手を携えて歩んだ、6カ月の記録』
A4サイズ、164ページ、1,200円(税抜)

2013_8.jpg『東日本大震災復興支援NGOシェアの保健活動報告書2
気仙沼のNPO「生活支援プロジェクトK」と歩んだ3年間』
A4サイズ、84ページ、1,000円(税抜)


シェア=国際保健協力市民の会「年次報告書2013」 掲載
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