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(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会 シェアは、保健医療を中心として国際協力活動を行っている民間団体(NGO)です。

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vol.1バングラデシュ

旅する世界の保健室


Go to the People 地域保健の原点は地域住民にあり

Go in search of your people:
Love them;
Learn from them;
Plan with them;
Serve them;
Begin with what they have;
Build on what they know.
But of the best leaders
When their task is accomplished,
Their work is done,
The people all remark:
"We have done it Ourselves."  (Chinese verse)(*1)

私は2006年からバングラデシュの農村で母子保健プロジェクトに携わっています。日々学びの毎日ですが、中でも冒頭の詩は今の私の心境と共鳴するところが多く、引用させていただきました。このコラムではシェア会員の皆様にバングラデシュの農村から少し元気を分けてもらえるような事例をご紹介いたします。


コミュニティサポートシステム(CmSS)とは地域で妊産婦・新生児死亡をなくすために住民が主体となった取り組みを支えるシステムです。途上国で妊産婦死亡を引き起こす原因とされる"3つの遅れ"、((1)産科ケア受診決定の遅れ、(2)産科ケア医療施設到着の遅れ、(3)適切な治療提供の遅れ)の主に1と2の遅れに対処するための活動をCmSSグループが中心となって推し進めています。いくつか活動例をあげると、グループによる妊産婦登録(妊産婦に関する基礎情報収集・管理、妊産婦マッピング作成、出産の経緯・結果報告など)、緊急搬送のための搬送手段確保(リキシャーバン(*2)の購入・管理)、Safe Motherhood 基金設立(貧困層妊産婦のための出産に必要な資金支援)、などがあります。現在、グループ数は全体人口約90万人に対し85グループに上っており、グループ活動の評判を聞きつけ住民自らがグループを結成しようという動きも広がってきています。CmSSグループの強みは地方行政の承認と後ろ盾を得ていることです。グループ活動は徐々に母子保健の枠を越え多方面に展開しつつあり、その取り組む課題もより地方行政の介入を必要とするものが増えてきています。行政によるサービスに不平不満を言う、または政府を敵対視するのではなく、政府と協働し住みよい地域を築き上げる作業が今着々と進んでいます。

これらのCmSS活動に対しプロジェクトは財政的支援を行っていません。全てメンバーの手弁当、或いは地域住民や地方行政から必要な資金や資源を募って活動を続けています。グループメンバーは皆無償で毎月1回の会合に参加しても日当が貰えるわけではありません。何が彼らのやる気を維持させているのか?これは多くの訪問者が投げかける疑問なのですが、彼らは胸を張って答えます。

「グループを作る前は身近で妊婦が出産時に亡くなることを体験したり聞いたりしてつらい思いをしたが、それについて何かできるとは思っていなかった。グループ活動を始めて妊産婦が安全な出産をするために自分たちにも何かできることがあると分かった。自分たちの活動が地域で役に立っていると実感できて嬉しい。」

Goto the People
地域保健の原点は地域住民にあり。
バングラデシュの農村においても私は地域住民のたくましさ、計り知れない可能性を再認識し、彼らから多くを学んでいます。
   
 住民啓発活動に使うBirth Planningカード。
写真:住民啓発活動に使うBirth Planningカード。妊産婦が出産準備としてやるべきことが描かれている。

*1
あなたにとっての[人びと]を探し求めなさい。
彼らを愛することです、
彼らから学ぶことです。
彼らと一緒に計画を立てることです。
彼らに仕えることです。
彼らがもっているものから始めることです。
彼らが知っていることの上に築いていくことです。
しかし、最良のリーダーとは、こんな風に思わせることができる人。
彼の仕事が成就されたとき、
それが終わったとき、
[人びと]は口々に叫ぶ、
「これは私らが自分でやり遂げたことだ」
(老子17章より「だれが最良のリーダーか?」)
*2 自転車付きリヤカー




元シェアスタッフ 吉村幸江
機関誌「Bon Partage」No.142(2009年1月)掲載


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