【4月28日更新】※4月4日に起きた東ティモール豪雨・洪水災害とシェアの活動について
既にご報告をしておりました、東ティモールで起きた豪雨災害について現地事務所よりご報告とお願いがございます。
1.災害の概要
報道によりますと、今回の災害は3月29日(月)に東ティモール東部の豪雨に始まり、4月4日(日)ディリ県を中心とした豪雨・洪水を引き起こしました。国連によると、一連の豪雨災害では東ティモールの8県(全13県中)が影響を受け、29名が犠牲になられ、13名が未だ行方不明、ディリ県では一時期、約1万名が避難生活を送っていたと報告されています。豪雨、強風に伴い、川の氾濫、洪水、床上浸水、地すべり、家屋や道路の崩壊・崩落、倒木などが発生し、それらに巻き込まれて死者や行方不明者が出ました。既に政府や国連機関を中心に、避難者に対する支援物資の提供や健康相談等が開始されています。
2.当日の状況・シェア事務所の被害状況
ディリ県では、3日(土)午後から雨が降り続き、4日早朝に雨は激しさを増しました。当日の朝5時頃にはシェア事務所の敷地も10cmほどの浸水が始まっていて、6時には停電・断水、7時には浸水が30㎝ほどまで悪化しました。車の中にもう少しで水が入ってきそうな高さにまで来ていました。この時点で既にSNSには写真と共に被害が伝えられ始めていました。それ以降は、敷地内の水位は変わらず、10時を過ぎて雨が弱まり、水位も徐々に下がっていきました。職員とも連絡を取り合っていましたが、連絡の無い職員には引き続き連絡を試み、火曜日までに全職員の安否が確認できました。
日曜日には電気は回復しませんでしたが、月曜日の朝起きると、事務所の電気が付いているのが分かりました。事務所内は、2階の部屋で雨漏りが数か所見られた他は、特に異常は確認できませんでした。その後、日本人職員で今後の対応について話し合いました。
火曜日には連絡が取れる職員には状況を確認していきました。床上浸水や雨漏りの被害、停電や断水が続き、特に調理、洗濯、風呂に使う水の不足が報告されました。川の水を使って洗濯をしたり、体を洗ったりする職員もいます。一方、飲み水や食べる物はあり、家族を含め健康面では問題は無いと報告されました。政府が食料品や給水を行っている地区もありました。災害後、人が集まる機会が増え、マスク着用や社会的距離が取られていない状況も報告されています。自宅近くの道路の状況が悪く、事務所に来ることが出来ない職員もいました。月曜日以降、停電やインターネットの不通などが断続的に起きていますが、大きな混乱には至っていません。
3.ディリ市内の街の様子
4日の日曜日夕方には、まだ水たまりが残る道路を、車やバイクが通る姿が確認できました。5日の月曜日には、一部のスーパーマーケットやレストランも開店し、食料品や生活用品を買う住民もいました。銀行や携帯電話の店舗なども時間を短縮して営業しています。水害により破損した家屋を修理するための資材を販売するホームセンターも開店しています。
雨が上がり蚊の数が増えています。火曜、水曜は晴れて気温が上がり、道路に残された泥が乾燥し、砂塵が空気中を舞っています。車両やバイクは災害前とほぼ同程度、街に出てきているように感じます。地区によっては道路に水たまりや泥が残っていたり、道路が崩落したままであったり、家屋も使えない状態であったり、まだまだ復旧に向けて時間が必要です。町のいたる所に泥や木やごみがまとめられていますが、回収が追い付いていません。
4.シェアの活動について
今回の災害とその後の生活環境に鑑み、当会の活動は縮小せざるを得ない状況です。安全や健康に配慮し、できる範囲の活動を継続していきます。皆さまにはご心配をおかけし大変申し訳ございません。東京事務局では、既に多くの方からご心配の声や、ご寄付のご提案を頂いていると聞いております。皆さまの応援に励まされ、現地での活動継続を行っていくことができます。どうぞ引き続きの応援をよろしくお願いいたします。
5.今回の災害に対するシェアの対応とご寄付のお願い
洪水の被害の大きかった川や湖の近くの住民約400世帯が、ディリ県とリキサ県の県境にある教会の避難所に避難しています。元々の居住地域は未だ水が引いておらず、避難生活が長引くと予想されています。カウンターパートであるディリ県保健局との協議を経て、シェア東ティモール事務所では以下の活動を展開していきます。特に、子どもの栄養と、水害後に予想される感染症や新型コロナウイルス感染症の予防に焦点を当てています。
避難所には5歳未満児が約100名いますが、教会内の避難所では調理をできる設備が限られており、十分な栄養が摂れていません。清潔な水も限られており、食中毒や下痢症のリスクがあります。洪水で流れてきた水や泥には、汚水や排水が混じっており、乾燥して空気中を舞うと、呼吸器感染症や下痢症の原因となります。また、ディリ市内では新型コロナウイルス感染症の市中感染が拡大しており(この1ヶ月で約700名の新規感染が報告)、人が集まる環境で、避難所での感染拡大のリスクがあります。そこで、水害後に予測される栄養不良・感染症予防対策が緊要であると判断しました。
【東ティモール水害へのシェアの対応】
- 5歳未満児に栄養のある食料を配布します(対象:約100名)
- 感染症予防のための物品の配布(対象:400世帯、約2,000名)
- 感染症やその予防に関する情報パンフレットの配布(対象:400世帯、約2,000名)
- 新型コロナウイルス感染症の市中感染拡大に対応する保健局の活動への支援
これらの活動を行うために緊急で130万円が必要です。どうか皆さまの温かいご支援をお願いいたします。
東ティモール事務所現地代表 巣内秀太郎
※4月28日時点で皆様から707,010円のご寄付をいただきました。活動を続けるために引き続きのご支援をお願いします。
※現地より活動に関する続報(4月16日更新)
4月14日午前9時。私たちはトラックに支援物資を積み込み、避難所へ向けて出発しました。場所はタシトルというディリ県とリキサ県の県境にある地域です。タシトルにはもともと3つの小さな湖が隣り合わせでありましたが、豪雨の影響で水かさが増し1つの大きな湖となってしまいました。増水の影響で湖周辺に住んでいた人たちの家は浸水し、腰辺りまで水に浸かったそうです。さらに状況を悪化させたのは増水した湖の水が引かず、未だ多くの家屋が浸水したままとなっており、住民たちが自家へ戻れない状況となっています。自宅に戻れた住民もいますが家財道具や日用品が湖に流されたり、汚水に浸かってしまったりと使えなくなっています。
私たちはそういった住民の声を聴くと共に、今後洪水により起こりうる呼吸器疾患や下痢、栄養失調対策のための物資と感染症に関する情報を載せたパンフレットを準備しました。物資はマスク、手指消毒液、粉ミルク、ビスケット、皿、スプーン、コップ、バケツ、たらいです。
午前10時に一つ目の支援先であるジョンパウロ地区に到着し、住民代表のニコさんに支援物資を渡しました。この地区には47世帯227人が自宅やテントで避難生活を送っています。5歳未満児の子ども達は22人、妊婦も4人います。ニコさんが指揮をとって一家庭分ずつのセットを作り、各家庭に配布しました。
ニコさんは「私は集落長ではないが、私たちや近所の人たちが甚大な被害を受け、何かしたいと思い避難者の情報や被害状況を取りまとめることにした。政府の支援も限られているため今日はみなさんに来ていただいて本当に感謝しています。」と話してくれました。
また妊娠8か月の女性は「日曜日の夜中に逃げてきたが、家の中に水が腰くらいまで入ってきた。子どもたちを連れだすのに必死で家の物は何も出せなかった。食器はトイレや湖の汚い水に浸かってしまったのでにおいがひどくてもう使えない。今日は日用品がもらえて嬉しい。」と言っていました。この日は保健スタッフによる診察も行われました。
2か所目はジョンパウロ地区の丘の上にある教会に行きました。ここには災害発生時1000世帯ほどが避難していましたが、現在は29世帯130人、5歳未満児の子どもは40人が避難生活を送っています。普段は礼拝に使われている教会にマットレスを敷いて生活しています。子どもたちが多くいますが、調理施設が無いためご飯が運ばれてくるのを待たないといけません。私たちはビスケットが子どもたちのおやつになるように各家庭10パック配布しました。
この2か所は政府から避難所として認定されていないため支援が届きにくくなっています。まだまだ避難生活は続くことが予想されるこの地域にシェアは引き続き住民のニーズを調査しながら感染症や栄養失調の予防を行っていきます。
水に浸かった家屋(左) / 増水した湖(右)
簡易診療所(左) / テントで暮らす避難者(右)
各家庭に配布した物資(左) / シェアスタッフがパンフレットを説明(右)
シェアスタッフが物品をニコさんに説明(左) / 避難者が力を合わせて物資を振り分ける(右)
避難者に物資を手渡す(左) / 避難所で生活する親子とシェアスタッフ(右)
粉ミルクを手渡す(左) / 避難所の様子(右)
※現地より活動に関する続報(4月28日更新)
4月14日に続き、19日にもシェアは支援物資をディリ市内のタシトル教会避難所へ届けました。タシトル教会には自宅が浸水した住民236人が避難しており、帰還のめどが立っていません。
当日の朝、トラックいっぱいに物資を積み込み、タシトル教会へ出発。事務所から30分の道中、泥がたまった敷地を掃除する人々を多く見かけました。教会に到着すると、すぐに子どもたちが集まってきて「ボンディア(こんにちは)」と声をそろえて出迎えてくれました。
前の週に行った避難所の現状から、どのような支援物資を配るかを判断しました。感染症予防や栄養補助のためにマスク、手指消毒液、ビスケット、粉ミルク、豆類、とうもろこし粉、お皿、フォーク、コップなどを配布しました。また教会のごみが不衛生な状態だったため、フタ付きのごみ箱を4つ避難所に設置しました。
シェアスタッフのロジーニャは避難している人たちに対して「私たちはたくさんの物資を支援することはできませんが、みなさんが被災した状況を見て居ても立っても居られず、日本のみなさんに支援を呼びかけて今回これらの物資をここに届けることが出来ました。少しでも皆さんの役に立つことを願っています。」と伝え、支援物資を配布しました。
避難所を管理しているノイさんは「シェアをはじめ日本の皆さまの支援に感謝申し上げます。私たちは予期せぬ災害に襲われ途方に暮れていましたが、私たちのことを心配して皆さんが来てくれたことをとても嬉しく思います。食事は白ご飯だけかインスタントラーメンという日が続いていたので、豆やトウモロコシなど栄養があるものをもらえてありがたいです。子どもたちにもミルクとビスケットをおやつにあげることができます。」と安堵の表情を見せてくれ、避難所も笑顔に包まれました。
皆さまから頂いたご寄付が707,010円に達しました。すでに6か所の避難所に支援物資を配布しましたが、避難が長期化している地域もあり、まだまだ支援が必要です。下痢症や上気道感染症などの感染症予防もまだまだ行わないといけません。引き続き皆さまの温かいご支援をお願いします。
東ティモール豪雨・洪水災害に対するシェアの活動に寄付
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