はじめまして。アイレウスタッフのデリアです。
シェアで働いて4年になります。2児の母です。
私の担当しているビロコ村で、先日、生後3週間の赤ちゃんが亡くなりました。この赤ちゃんは、生まれた時から体がとても小さく、ずっと熱と咳を繰り返していたそうです。また、自宅出産だったために、なんの治療も受けられていませんでした。ビロコ村は山間部にあり、集落を分ける川は雨期になると増水し、4輪駆動車でも渡ることはできなくなってしまいます。

ビロコ村で、川を渡り山の上のSISCaを目指すお母さんたち
「SISCa」という2007年から始まった国の取り組みで、遠隔地においても、人々は基本的な保健医療サービスが受けられるようになりました。しかし、この赤ちゃんのように、村人たちの多くが、未だSISCaの活動にアクセスすることができていないのが現状です。不衛生な環境の下で行われる出産が原因で、命を落とす母子もいます。東ティモールでは医療者が付き添う出産は3割という統計も出ています。(2009-10Demographic and Health Surveyより)
もし、この赤ちゃんが一日でも早く治療を受けられたら、いのちは助かっていたかもしれません。
こうした状況を少しでも改善していけるように、現在、私たちシェアは、地域の保健ボランティアを対象とした研修や、住民に分かりやすい保健教材づくりに取り組んでいます。

ビロコ村の保健ボランティアたち
ビロコ村の保健ボランティアも、へき地で暮らす村の住民の健康を守るために、がんばって活動しています。シェアの研修を受けて、保健教育を身に付けたり。安全な出産のために、SISCaでの妊産婦健診を受けてほしいと住民の家々を周って説得したり。
これからもより多くの村人たちにSISCaを利用してもらえるよう、サポートしていきたいと思っています。

アイレウスタッフ デリア
(2012年)