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AIDS

世界では2009年末時点で3340万人の方がHIVに感染しています。エイズの治療薬は開発が進み、エイズの発症を抑えられるようになってきましたが、途上国においては、保健医療システムが脆弱であったり、その治療薬は非常に高価なものであったりすることから、ほとんどのHIV陽性者には薬が手に入らない状態です。
エイズによって多くの働き手の世代が亡くなり、残された孤児の養育、陽性者への差別や偏見、貧困など、「感染症」と捉えていては解決できない課題が多く、国家の存亡にも影響を与えるほどになっています。今やエイズに関わる問題は一国で解決できるものではなく、国を越え、世界中で真剣に取り組まなければ解決できない規模となっています。
タイやブラジルなど、国をあげたエイズ対策により新規感染者が減少に転じている国がある一方で、日本においては1日に約4人(2009年)のペースで新規感染者が報告されるほど、急速にHIV感染が拡大しています。海外の学びを生かし、日本人を対象としたエイズ啓発活動が必要とされています。
シェアは27年間の国際保健協力の経験を生かし、タイ、南アフリカ、そして日本で、HIV陽性者支援やエイズ予防啓発活動に積極的に取り組んでいます。

HIVとAIDS

AIDSとは

AIDSとは、正式な病名を「後天性免疫不全症候群」といい、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して起こる病気で、感染すると身体を病気から守る免疫システムが正常に働かなくなり、身体の抵抗力が低下し、健康な時にはかからないような様々な感染症や悪性腫瘍にかかってしまうものです。

HIVに感染したら

HIVに感染しても、発症までは特に症状が出ない場合が多く、この症状がない状態はしばらく続きます。感染から発症までの期間は未治療の場合でも数年かかかると言われています。症状がないために気づかず、性行為などによって他人に感染させてしまう可能 性も大いにあります。この潜伏期間を過ぎると、身体の抵抗力が弱まり様々な病気にかかります。この発病した状態をエイズと言います。HIVを身体から取り除く治療法はまだないために、完全な治療法はありません。しかし、症状の原因となっている感染症の治療を徹底すること(日和見感染治療)で、症状を一時的に改善することもできます。以前はくり返し日和見感染を生じているうちに、死に至ることが多かったのですが、近年はウィルスの活動自体を抑える治療法 (HAART)が開発され、感染者の生命を大きく伸ばすことができるようになりました。早期発見によって自分の病状を把握し、医師と相談しながら、規則正しい生活やバランスのとれた食事、適度な運動などの健康管理に取り組むことで、病気の進行を遅らせながら社会の一員として生活を送ることができます。

HIVの感染経路

HIVは感染力が弱く、感染経路がわかっているので予防をすることができます。感染を防ぐには、HIVの感染経路を正しく知ることが重要です。
HIVの感染経路は
・ 性行為による感染(精液・膣液)
・ 血液による感染(注射の回し打ちなど)
・ 母子感染
この中で最も多いのは、性行為による感染です。性行為においてコンドームを正しく使用することは、エイズだけではなく他の性感染症予防にとっても、非常に有効な手段です。しかし、正しく使用しなければ感染のリスクが高くなってしまいますので、正しく使いましょう。

世界のHIV感染状況

1981年に始めてエイズ患者が報告されたことに始まり、今やHIV感染の拡大は世界中で深刻な問題となっています。国連合同エイズ計画(UNAIDS)/世界保健機関(WHO)の発表によると、2009年末にはHIVと共に生きている人の数は3340万人(3110〜3580万人)であると推計されています。2004年1年間で新たに感染した人は270万人(240〜300万人)、エイズによる死者は2000万人(170〜240万人)にのぼるとみられています。

地域別で見ると、サハラ砂漠以南のアフリカが2240万人と、全体の3分の2近くの数を占め、次に多いのが南・東南アジア(380万人)、ラテンアメリカ(200万人)、東欧・中央アジア、北アメリカと続いています。 HIV陽性者数は、流行はほとんどの地域で安定化しているようですが、東ヨーロッパと中央アジアでは新規HIV感染率が高いために拡大しています。また、サハラ以南アフリカが引き続き最も深刻な地域であり、2008年における新規HIV感染件数の71%を占めています。一方、高所得国で男性とセックスをする男性間で流行が再び拡大していることが、次第に報告されつつあります。

またエイズ関連の死亡件数は、2004年にピークを打ったと思われ、2008年のエイズ関連の死亡件数は、200万件(170万〜240万件)でした。また治療に関しては、2008年末時点で、低・中所得国で抗レトロウィルス療法を受けている人々の数は、400万人以上に達し、これは、1年間で36%、5年間で10倍の増加となりました。しかしながら、少なくとも500万人のHIVとともに生きる人々が、治療とケアにアクセスできないでいる状態にあります。

* UNAIDS OUTLOOK HIV/エイズ対策の展望2010 より抜粋

エイズのキーワード

エイズ(AIDS)
後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome)。HIVと呼ばれるウイルスに感染することにより、体を病気から守る抵抗力が低下し、さまざまな症状の感染症をおこす。症状は感染した病原体によって異なるが、HIV感染による免疫低下で生じたこうした病状を総称してエイズと呼ぶ。

HIV
ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)。エイズを起こす病原体であり、レトロウイルスと呼ばれるタイプのウイルスの一つである。同じレトロウイルスの仲間には成人T細胞性白血病を起こすHTLVウイルスもある。どちらも血液や生殖液を介して感染し、多年かけて白血球を破壊することで免疫力を低下させる。

日和見感染症
人間が自然に備え持っている免疫力(病原体に対する抵抗力)ではあまり増殖することができないような弱い病原体も、人間の免疫力が下がるとその機会をとらえて激しく活動するようになる。こうして生じた感染症を日和見感染症と呼ぶ。

CD4
人体に侵入した病原体を排除する働きをしているのが血液中の白血球。そのなかで司令塔的な役割をしているのがCD4陽性細胞。HIVはこのCD4陽性細胞に取りつくことで人間の免疫力を弱めてしまう。HIVの活動性が進むにつれてこのCD4陽性細胞数が低下し、200以下になると高率にエイズの症状を発病するようになることがわかっている。

ニューモシスティス肺炎
日和見感染症の代表的なもの、カビの仲間であるニューモシスティスという病原体が免疫力が下がった人の肺内で増殖し、咳・発熱・呼吸困難を伴う肺炎を起こす。日本でエイズを発症する人が経験する日和見感染症ではもっとも頻度が多い。重症化する前に発見すれば比較的安い薬剤で治癒することができる。以前はカリニ肺炎という呼称がつかわれていた。

結核 (TB=Tuberculosis)
エイズ・マラリアと並んで世界でもっとも大勢の人が影響を受けている感染症であり免疫が著しく低下していない人でも感染・発病することがある。しかし、HIVによって免疫が低下した人では発病するリスクがさらに高くなり開発途上国では最も多い日和見感染症である。咳・痰・微熱が主な症状であるため発見が遅れやすく、半年以上薬を飲む必要があるため治療を完了できない人も多い。流行を抑えるためには国際社会の協力が必要である。

帯状疱疹
水ぼうそうを起こすウイルスである水痘ウイルスは水ぼうそうが治った後も神経の中に潜んでいることがある。通常の免疫力では、このウイルスの活動は抑え込まれているが、がんや糖尿病・過労などで免疫力が低下した人では活動性が回復し、神経の走行に沿った範囲で水疱や痛みを伴う発疹を起こす。通常、1〜2週間で治癒するがAIDSを発症し免疫力が著しく低下している人では重症化し死にいたることも少なくない。

抗レトロウイルス剤(ARV=Anti Retroviral)
エイズウイルスの増殖を止める効果のある薬剤であり1990年頃から相次いで開発された。特に1996年に開発された3種類の薬を併用して強力にウイルスを抑え込む治療法は、HAARTと呼ばれ効果的なエイズ治療の標準治療として普及するようになった。しかし、薬剤価格が高い、副作用が多い、中途半端な飲み方をするとすぐに効かなくなるといった欠点があり開発途上国での普及は大きく遅れた。

ジェネリック薬
開発した製薬会社が販売している薬をブランド薬。それ以外の会社が作成している薬を後発薬またはジェネリック薬と呼ぶことが多い。多くの場合、特許の期限が切れた後に別のメーカーが製造しているものであるが、1996年以前は特許の国際条約がなかったため開発途上国では国内だけで使用する目的でジェネリック薬の製造が可能であった。

国連エイズ合同計画(UNAIDS)
エイズは医療だけの問題ではなく社会の様々な課題と関連するものであるため、国連は関連する諸機関を集めて合同のエイズ対策の組織を作った。世界保健機構(WHO),国連開発計画(UNDP)などの機関が参加している。

HIV陽性者 (PLHIV= People Living With HIV)
HIVに感染した人々。当事者の関わりがエイズへの差別と偏見の解消にポジティブな効果を生み出すことから,HIV検査の結果が陽性だった人々をHIV感染者という呼称ではなく、HIV陽性者と呼ぶことがエイズ対策に関わる人々の間では増えている。

HIV陽性者国際ネットワーク(GNP+)
HIVに感染した人々の国際的連絡組織。効果的なエイズ対策には差別と偏見の除去が不可欠でありHIV陽性となった人々の意見が政策に反映させることが重要である。この観点から国際エイズ会議はGNP+を始めとする多様な当事者組織の参加によって行われるようになっている。

MSM
男性と性行為をする男性(Men who have sex with men)は、社会の中で少数者であることから偏見と差別にさらされることが少なくない。しかし、HIV予防のためにはMSM自身が同じコミュニティの中で自分たちの性の特性に合った啓発活動を行うことが効果的である。UNAIDSはMSMへのプログラムがMSM自身の参加によってつくられることを推奨している。

影響を受けやすいコミュニティー(Vulnerable Community)
エイズに影響を受けやすい人々の置かれている立場を正しく理解し、その人権を守りつつより現実的な対策を行うことが必要であるという立場からUNAIDSでは以下のようなVulnerable Communityの参加を重視している。HIV陽性者・性的指向性の少数者・性産業労働者(SW= Sex worker)・薬物使用者(Drug User, IDU= Injecting Drug User)・移住労働者などである。性的指向性の少数者には、GLBTすなわち男性同性愛者Gay,女性同性愛者Lesbian、両性愛者bisexual、性転換者transgenderが含まれる。

アジア太平洋地域エイズ国際会議 ICAAP
エイズ対策の国際会議は世界規模で行われる世界エイズ会議と各地域ごとに行われる地域会議がそれぞれ2年ごとに交互におこなわれている。日本はアジア太平洋地域に属しておりICAAPに参加しており2005年には神戸で第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議が行われた。

エイズ関連リンク

ぷれいす東京
HIV/AIDSと共に生きる人たちがありのままに生きられる地域づくりをめざしているCBO(Community Based Organization)です。HIV陽性者や周囲の人の支援、感染不安に関する電話相談、予防啓発活動、研究・研修などを行っています。

アフリカ日本協議会
アフリカをはじめ途上国でのHIV陽性者支援、エイズ治療やケア・サポートにつながる情報を提供するメールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」を発信しているNGOです。世界的なエイズ対策への資金拠出が拡大されるよう各方面への働きかけや在日アフリカ人へのエイズ啓発、在日アフリカ人HIV陽性者支援も行っています。

CRIATIVOS(クリアティーヴォス) -- HIV-STD関連支援センター --
日本全国のラテンアメリカ系HIV陽性者およびエイズ患者に対し、彼らの人権を守り、また彼ら自身が自尊心を高め、自ら声をあげて生活の質を向上していけるよう、専門的かつ総合的に支援することを目的とし活動している団体です。

日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)
HIV陽性者団体と個人のネットワーク。自立したあたりまえの生活ができる社会を目指して、情報提供、アドボカシー(権利擁護、施策提言、等)、陽性者スピーカー研修・派遣、交流会などを行う。

AIDS&Society研究会議
HIVに感染している人たちを支援していくことが感染予防にも最も効果のある方法であるとの考えに基づき活動を続けています。

ライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)
HIV感染者・エイズ患者への社会的支援活動を行っています。

エイズ予防財団
エイズの予防のための知識普及及びエイズの予防治療等の研究助成並びにエイズに関する国際的な情報交換等を行っています。

HIVマップ
HIV/エイズの総合情報サイト。ゲイ・バイセクシュアル男性をはじめ、全ての人にすぐに役立つ予防・検査・相談・支援の窓口や基礎知識など。

UNAIDS
国連エイズ合同計画(The Joint United Nations Programme on HIV/AIDS)は国連諸機関が協力し合い、感染症問題(主にHIV)に取り組んでいます。

Donation

シェアは、いのちを守る人を育てる活動として、保健医療支援活動を現在
東ティモール・カンボジア・日本の3カ国で展開しています。